熊本地域の環境問題に対して意識レベルを向上させる市民向け環境講座の実施

プロジェクト期間:令和6年度~

リーダー:地域協働プロジェクト-Gr (准教授) 若杉玲子
メンバー:地域協働プロジェクト-Gr 特命教授 小山善文

プロジェクト概要

本プロジェクトは、昨年度より引き続き準備を進めてきた①「半導体の製造について」と②「水環境について」の2つをコンセプトとした講座を実施するものです。熊本地域はこの数年、経済発展に向けて、県を挙げて工場や企業の誘致を急速に進めている。菊陽町には複数の半導体企業が進出し、2024年秋から半導体製造の本格稼働を予定されている。地元の経済発展への貢献度は大きいと思われるが、一方で、半導体製造には多量の水を必要とするため、地元住民をはじめ県内外より、地下水の枯渇に繋がる危険性や重金属処理水による汚染を懸念する声も大きい。熊本県が、今後末永く自然との調和を保ちながら経済発展するためにも、企業が環境アセスメントに則って公害を出さない製造を行うのはもちろんであるが、我々市民も企業任せにするのではなく、半導体工業や身の回りの環境に高い意識・関心を持って接していくことが重要で、そのような市民の取り組みが企業の暴走や隠ぺいのない健全な運用につながると考える。

そこで、「半導体工業に関する情報」と「身の回りの環境の情報」について、市民の方々が具体的に理解し、判断の一助になるような市民向け環境講座の開催を目指し、準備を行う。


  • 図1 講座資料コンテンツの一部(案)

今年度の目標・活動計画

熊本高専の立場から市民の方々の理解の一助になるような「半導体工業に関する情報」と、身の回りの環境、とくに「水環境」についてともに学ぶ場として市民向け環境講座を実施する予定です。

  • 講座資料の準備
  • 講座開講に向けた学内外の手続き等準備
  • 講座の実施

令和5年度の活動報告

環境講座の内容は、①「半導体の製造について」と②「水環境について」の2つをコンセプトとした。そこで、まず現在の半導体製造について、現場の環境や状況の詳細をお聞きするため、東京エレクトロン九州の方々とミーティングを行った。小・中学生にも分かりやすいように、身近なゲーム機や携帯電話に使われている半導体(チップ)を作るためにどのくらいの水が使われているか試算してもらうこととし、ポイントとしては、「半導体は今の便利な社会には不可欠であること」、「限られた資源を沢山使って作られていること」、「モノを大切にしないといけないこと」などを伝えられるよう検討している。令和6年1月27-28日には、水辺プラザかもとで開催された熊本地域の環境イベントにも参加した。


  • 図2 環境イベントの様子