夜のフライトコール録音調査 at 熊本高専

プロジェクト期間: 令和6年度~

リーダー:AC-Gr (助教) 森下功啓

プロジェクト概要

GPSなどの機器の発展に伴い、大型鳥類では日本の渡り鳥の移動時期やルートの解明が徐々に進んでいます。ただし、体重が小さく通信機器を取り付けることが難しい場合や帰巣性がないために捕獲による機器の回収ができない鳥種については解明が進んでいません。そこで、渡りの途中の鳴き声を全国的に収集するプロジェクトに参加し、渡りのルート解明に寄与することを目的としています。

今年度の目標・活動計画

2024年度の目標は、春と秋の夜間において、環境音を録音することを目的とします。収集した音源はトリルラボの管理するサーバーにアップロードを行います。

  • 4月と9月からそれぞれ2か月間ほど、環境音の収集を行う
  • 収集した生音源を全国の調査プロジェクトグループに共有する
  • グループで観測や解析のツール開発を進める

令和6年度の活動報告

R6年度は、運動場の一角にICレコーダーを設置し、44100 Hz リニアPCM形式で、春と秋に毎日21:00-22:00, 0:00-1:00, 3:00-4:00の録音を行いました。のべ570ファイルの収集ができました。タイワンエンマコオロギやアオガエルやヌマガエルなどの雑音が強いものの、若干のフライトコールやホトトギスやアオサギの鳴き声を録音できました。また、少し変わったものとして、深夜のハシボソガラスやシカの雄叫びも録音できました。雑音は多いものの、負例としての環境音の収集はできたものと思います。

課題は、外付けコンデンサマイクの寿命が割と短いことに加え、周囲の昆虫の鳴き声が大量に入ることです。来年度の渡りのシーズンに向けて、マイク装置の自作や、地上から離した場所で録音ができる工夫をしたいと考えています。

 

  • 図 運動場の片隅に設置したフライトコール観測装置(録音には密閉したDM-750と外付けマイクを利用)