液体窒素超伝導発電機の開発

プロジェクト期間 令和3年度

リーダー:企画運営部 教授 田中禎一
メンバー:MI-Gr 教授 毛利存

プロジェクト概要

熊本県内のベンチャー企業と共同で、液体窒素超伝導発電機の開発を行います。昨年度までの研究で、汎用発電機を液体窒素に埋没させて発電が可能なことが分かっています。

令和3年度の活動報告

今年度は、今後の自立式超伝導発電機システムの開発において必要とされる「磁気冷凍」を利用した冷却システムの実現性について検討をおこないました。磁気冷凍とは、図2に示されるように、磁性体に磁界をかけていくと磁性体が発熱し、磁界を取り去ると温度が下がる現象(磁気熱量降下)を利用した冷凍システムであり、フロンなどの冷媒を使用しないので環境負荷が小さく、圧縮機が不要であるため、省エネが図れます。

本研究では、図1で示されるように、液体窒素で発電機を冷却する際に発生する窒素ガスを、この磁気冷却を使って液体窒素に戻す自立システムを構築するため、モーターによって永久磁石が周期的に磁性体(磁気冷凍材料)を通過するシステムと、磁性体からの熱の吸排をおこなうシステムの概念設計をおこないました。

(今後の展望) 今後は、今年度実施された磁気冷却システムの概念設計を詳細設計、試作機の製作へと移行するとともに、試作機の試験を通して、窒素ガスの冷却・液化の可否について検討をおこないます。また発電機についても、コイルの超伝導素材への更新について検討をおこないます。

  • 図1 液体窒素を利用した発電システム
  • 図2 磁気冷凍の原理図 ※

※ NIMS「機械学習により世界最高クラスの磁気冷凍材料を発見 ~水素社会実現に不可欠な水素液化の高効率化に前進~」 https://www.nims.go.jp/news/press/2020/05/202005121.html
(最終閲覧日2022年2月21日)

令和3年度の目標・活動計画

今年度は、発電機内のコイルを液体窒素超伝導コイルに変更した装置の開発と実験を行います。