ヒューマン情報技術研究部

ヒューマン情報技術研究部主任 合志 和洋

1. はじめに

ヒューマン情報技術研究部では、快適な生活環境を向上させることを目的として、人の感性や感覚を利用した人間相互の感性豊かなふれあい(心地良さ、安心感、快適性などを豊かにすること)のための技術を研究しています。また、これからの超高齢化社会に向けた感覚障害や機能障害などを補完するための支援機構の解析、豊かな福祉環境づくりのための新しい提案、Japan ATフォーラムや日本福祉工学会九州支部大会の後援などを行っています。

2. 活動内容

2.1 研究活動

研究技術として、快適性デザイン技術、高齢者・障害者支援技術、感動・感性評価技術、バーチャル空間技術の4つの分野について研究を進めています。また、基礎的な研究項目として感性・感覚のために、脳波やNIRS(近赤外線分光法)による評価判定方法についての研究、振動イスや3次元立体映像による仮想現実・臨場感効果の研究も始めています。これらの研究成果は、地域企業や福祉医療機関との共同研究により実用化を目指しています。

2.2 社会活動

(1)Japan ATフォーラム2018

共同研究や技術協力をとおして、全国各地で活動しておられる福祉機関や大学、高専の関係者の方々と交流を行っています。このような活動を地域の人や社会の人に知ってもらい、技術を共有する場として、福祉情報教育フォーラムを開催しています。今年度は、徳山高専の協力の下、平成30年9月8~9日に徳山高専にて実施しました 。

(2)全国Kosen-ATネットワーク

Japan ATフォーラムと並行して、これまで全国の高専で福祉や情報教育の活動を行っていた高専教員の有志と国立障害者リハビリテーションセンター、国立特別支援教育総合研究所などの協力をいただき、全国Kosen-ATネットワークを設立しています。全国10高専を結び、福祉情報教育の分野での教員間連携を図り、特別支援学校や福祉施設におけるニーズに対応した研究活動を推進していくことを目的としたネットワークで、将来的には、現場の要望に応えた支援機器を地元企業との連携で商品化し、社会に還元することを目標としています。今年度は、平成30年11月24日に本校熊本キャンパスにて開催された日本福祉工学会第21回総会・第22回学術講演会並びに第3回九州支部大会講演会を実施しました 。

3. おわりに

本研究部では、ICTを基盤技術として、感性情報技術やヒューマンデザイン技術などの新しい技術を取り入れて、柔軟な発想に基づくモノづくりをとおして、社会に貢献していきたいと考えています 。