回路とシステム研究部主任 大田 一郎
1. はじめに(研究目的と概要)
本研究部では、新しい電源回路の研究開発やその応用として、高電圧発生装置や衝撃波発生装置について、パソコンによる回路設計、ワークステーションによるシミュレーション、基板加工機による試作、及び実験による試作回路の評価を行っています。
2. 活動内容
本年度は、タイのモンクット王工科大学ラートクラバン校からの短期留学生Nell(ネル)さんが、「高電圧充電回路のシミュレーションと実験」という研究テーマで6月から2ヶ月間、研究に参加しました。彼女はドイツに1年間留学した経験があり、他の留学生もよく研究室に遊びに来て賑わいました。図1は成果発表会の様子です。図2は試作した回路の外観で、図3と図4は試作回路の特性を測定した結果です。ほぼ設計通りの特性が得られ、更に改良することで衝撃波発生装置に応用できることが確認でき、次年度の研究開発に繋げる予定です 。
3.おわりに
4の業績一覧に示すように、本年度も論文発表や特許申請を行うことができました。今後も、新しい回路を開発して、学会発表や特許を通して、社会に対して技術貢献できる研究を継続していきます。
4. 業績一覧
- 江口 啓,F.Asadi,桑原京香,石橋孝昭,大田一郎,A small direct sc AC-AC converter with cascade topology,International Journal of Innovative Computing, Information and Control, vol.14, no.5, pp.1741-1753 (2018.10)
- 江口 啓,F.Asadi,桑原京香,大田一郎,Design of an inductor-less direct AC-AC converter realizing 1/4x and 4x conversion,Journal of Physics: Conference Series, vol.1026, pp.1-8 (2018.6)
- 江口 啓,A.Jaiwanglok, A.Julsereewong,F.Asadi,安部裕人,大田一郎,Design of a non-thermal food processing system utilizing wire discharge of dual electrodes in underwater,International Journal of Innovative Computing, Information and Control, vol.14, no.3, pp.847-860 (2018.6)
- 大田一郎,寺田晋也,放電装置,特願2018-061202号 (2018.3)
- 江口 啓,F.Asadi,石橋孝昭,大田一郎,A multi-input cross-connected charge pump for mobile applications,The 6th IIAE International Conference on Industrial Application Engineering 2018 (ICIAE2018), pp.43-49 (2018.3)
- 江口 啓,F.Asadi,安部裕人,大田一郎,Experimental evaluation of water contamination in a non-thermal food processing system utilizing an underwater shockwave
*過年度の研究成果はhttp://www.te.kumamoto-nct.ac.jp/~oota-i/gyouseki-j.htmlを参照。