プロジェクト期間 令和2~3年度
リーダー:地域協働プロジェクトGr 教授 田中裕一
コアメンバー:
理数Gr 教授 五十川読、MI-Gr 教授 小田明範、AC-Gr 助教 森下功啓、
理数Gr 教授 小島俊輔、AP-Gr 教授 湯治準一郎
八代商工会議所 松本章、永松将人、有限会社小林商店 小林大祐
生産システム工学専攻1年 南條充宏、
機械知能システム工学科4年 宮田優作、
生物化学システム工学科2年 志水亨、藤田龍之介、
建築社会デザイン工学科1年 脇田龍之介
プロジェクト発足時の目標
八代市で進められている”安心なまちやつしろプロジェクト”より「新型コロナウイルスの大きな課題である密閉状態を防ぎたい」という依頼をうけて発足しました。(【関連記事】「店舗の換気見える化プロジェクト」を発足しました。)
具体的には、二酸化炭素(CO2)センサを用いてCO2濃度を計測し換気を促すIoTシステムを用いることで、地域社会に貢献することを目標としました。
令和3年度の活動報告
新型コロナウイルス感染防止対策を講じながら、令和2年5月22日、6月12日および9月4日の計3回、八代キャンパスにおいて、公開講座「換気の見える化を目的とした二酸化炭素測定装置の製作」を実施しました。八代商工会議所および有限会社小林商店にご協力いただき、市民、学生および教員が参加しました。参加された方には、製作した測定装置をお貸し、使ってもらっています。昨年度、実証実験のために装置を設置させて頂いた店舗についても、継続を希望された場合は、そのままご利用頂いております。
八代商工会議所では、「安心なまち やつしろプロジェクト」に取り組まれており、本プロジェクトで開発した測定器を認証店向けに無料で貸し出されております。令和4年1月24日時点で、申込19件、設置済12件、公開10件となっており、2月はWiFi接続なしについても募集される予定です。
安心なまちやつしろプロジェクト公式ホームページ
https://8246.anshinnamachi.com/
今後の展望として、自分達ができる身近なIoTを新型コロナウイルス感染防止に活かせないか、身近なDXのネットワークを作れないかという動機で取り組んできました。お陰様で、いろいろなことを学ぶことができました。本プロジェクトで使用したMicrosoft Teamsのチームをできる限り維持します。執筆時点では、オミクロン株という新たな変異株が国内に急速に拡がりつつあり、新たな対応を迫られている状況ですが、皆様の健康を願うと共に、今後もできることに取り組んでいきたいと考えています。
令和2年度の活動報告
CO2センサーモジュール「MH-Z19B」と小型のマイコンモジュール「M5Stack」を利用したシステム(CO2濃度計測器、図1)を開発し、IoTデータの可視化サービス「Ambient」による可視化(CO2濃度のリアルタイム表示)、「LINE Notify」を利用し閾値に達した時に換気を促すメッセージの送信、スピーカーへの音声メッセージの出力やLCDモニターでのCO2濃度表示などを可能としました。
八代商工会議所の方にプロジェクトのコアメンバーとして参画いただき、店舗、事業所や行政との橋渡しをお願いし、八代市内を中心に9店舗(事務所を含む、また、内1店舗は熊本市)に、CO2濃度計測器を設置しました(図2)。
機械知能システム工学科5年の「卒業研究」及び生物化学システム工学科1年の有志学生による「実践プロジェクト」の一環とも連携した活動として実施しました。
プロジェクトの一部を、PBL講評会(2/17)、IoT共通基盤整備プロジェクト研究発表会(3/17、図3)、新・閃きイノベーション発表会(4/23)で報告しました。
今後の展望として、設置の作業・負担の軽減のためにWi-FiやLINE等の設定を簡単にできるアプリの作成や、人の流れを数値化するためにほかのセンサを複合して利用することが挙げられています。また、本校での市民向け公開講座の開催(プログラム開発、設置支援、技術指導など)も計画しています。
- 図1:CO2濃度計測器
- 図2:学生が設置店舗で使用方法等を説明
- 図3:発表会の様子