開講式・第1回講座「相手に伝わる『発表』をしよう!~コミュニケーション能力や話す技術~」(6/15)
令和6年6月15日(土)、熊本キャンパスで、熊本高専ハカセ塾を開講しました。高専ハカセ塾は、平成30年度~令和4年度にJSTジュニアドクター育成塾事業として開催してきたもので、今年度は23名の受講生(小学5年~中学2年)を対象に14回の講座を計画しています。
熊本高専ハカセ塾の目的は、「次世代科学技術を担う理数系人材の発掘・育成に向け、科学技術に対する高い学習意欲を有する小中学生を対象に、自身の強みや志向性を見極め、他者との関わりの中で主体的に人生を切り拓くための態度を育成する」というもので、受講生は14回の講座を通じて以下のような経験をしていきます。
- いろいろな分野の講座を経験する
①自身の強みや志向性(没頭できる分野)に気づく
②地域の社会的課題について知り解決策を検討する
③受講生同士の対話的コミュニケーションを図る - 自由研究の計画、実施、発表をする
①夏休み前の研究計画発表会
②夏休み後の研究成果発表会 - 研究活動支援(希望者)
- 事前事後の資質能力(スキル)を自己評価する
開講式は、3月に整備したワーキングコモンズ※で実施し、熊本高専ハカセ塾の目的と内容について認識の共有を行いました。
初回講座では、リベラルアーツ系の有働助教による「相手に伝わる『発表』をしよう!~コミュニケーション能力や話す技術~」を実施しました。はじめに、これから共に高め合っていく受講生同士で自己紹介をし交流を深め、次に自分と相手の「当たり前」の違いについて、グループワークをしたり、イメージを絵に描いたりすることで気づいたことを共有しました。
最後にまとめとして、「発表」と「プレゼンテーション」の違いをおさえたうえで、「将来つくりたいモノ・技術」をテーマに個人で考え、グループで共有しました。受講生たちは、交流を通して新しい出会いとともに個人では得られない発想を得られた様子で、初めての熊本高専ハカセ塾を楽しんでいました。
今回の講座を通して、相手にわかりやすく伝えることの大切さ、相手に気持ちを「贈る」プレゼンテーションとは何かに気づき、これからの熊本高専ハカセ塾に活かしてくれることを期待しています。
※ ワーキングコモンズ
本校で取り組んでいるアントレプレナーシップマインドセット(新しいことに果敢に挑戦し、たとえ失敗したとしてもそれを糧にして次のチャレンジに踏み出せる意識)育成に資するためのコワーキングスペース
第2回講座「地デジ用アンテナを作ってみよう-うちわアンテナの製作-」(6/22)
令和6年6月22日(土)、熊本キャンパスで、熊本高専ハカセ塾第2回講座「地デジ用アンテナを作ってみよう-うちわアンテナの製作-」を実施しました。今回は、電子情報システム工学系TEグループの入江博樹教授と入江研究室の学生が製作の指導をしました。
まず、電波の性質や、電波を受信するために必要なアンテナの形状と周波数に関する講義を行い、アンテナの大きさと電波の周波数には関係性があることや、電波を効率よく運ぶための同軸ケーブルの形状などについて学びました。
その後、地デジ電波を受信するためのアンテナの製作に取りかかりました。受講生はグループに分かれ、学生から説明を受けながら、うちわの表面にアルミ箔を貼り、同軸ケーブルの被覆を剥いてF型コネクタを加工するなどの作業を行いました。カッターを使った加工では、安全に注意しながら作業を進めました。
最後に各自が作ったアンテナをテレビに接続し、地デジ放送の電波を受信できたときには、受講生はニコニコと笑顔になり、大きな歓声が上がりました。普段、当たり前のように利用していた電波が比較的簡単な工作で実験できることにより、電波に対する興味が一層湧いてきたようでした。