令和6年10月13日(日)、宮崎県都城市の早水公園体育文化センターにて高専ロボコン九州沖縄地区大会が開催され、九州沖縄地区10高専の計20チームがロボット製作・制御技術を競いました。
競技課題「ロボたちの帰還」
複数台のロボットを用いてロボットを狙った場所に着地させ(ピンポイント着地)、オブジェクトを回収し元の場所に持ち帰る(サンプルリターン)という競技です。2分30秒の競技時間で各ミッション達成による点数勝負以外に、着地満点+全てのオブジェクトを回収して持ち帰るとコンプリート(Vゴール)となります。
フィールドはロボットが接地できないエリアで分断されており、ロボットがどのように越え帰還するのか、アイデアやロボット達の連携が問われます。
本校からは、両キャンパスそれぞれ2チームの計4チームが参加しました。決勝戦は初の両キャンパスBチームによる同校対決となり、大接戦の結果、八代Bチームが優勝、熊本Bチームが準優勝となりました。
優勝した八代Bチームに加え、熊本Bチームは審査員による特別推薦により、11月17日(日)に東京の両国国技館で行われる全国大会への出場権を得ました。両キャンパス同時の全国大会出場は2021年大会に続き、2度目となります。また、熊本キャンパスAチームが特別賞(セメダイン株式会社)、熊本キャンパスBチームが特別賞(東京エレクトロン株式会社)、八代キャンパスAチームがアイデア賞を受賞しました。
大会の様子は、Youtube(高専ロボコン公式) よりご覧いただけます(本校出場試合ハイライトはこちら)。また、NHK総合にて11月10日(日)11:00から放映されます。
出場ロボット紹介
熊本キャンパスAチーム「ASTRABBITs(アストラビッツ)」
特別賞(セメダイン株式会社)
私たちの目標は「ミッション完了」し、地区大会で「優勝」することです。ロボットが安定して動作するように、さまざまな機構・構造やセンサーを使った半自動制御を組み込みました。2回のロボット投射と7回のボール投射を行います。フィールドをさまざまなものが飛び交う様子は、まるで月に住むうさぎが飛び跳ねている光景を皆さんに思い起こさせるでしょう!
予選Dグループ初戦では、鹿児島Aと対戦しました。ロボット1から射出されたロボット2が見事中央の着地スポットに着地し、100点を獲得して100点対10点で勝利しました。続いて都城Bとの対戦では、両チームともオブジェクトの回収に至らず、着地の得点40点対100点で惜敗し、決勝トーナメント出場には至りませんでした。すべてのオブジェクトを回収できるロボットであったため、悔しい結果でしたが、特別賞(セメダイン株式会社)をいただきました。
熊本キャンパスBチーム「星射必宙(セイシャヒッチュウ)」
準優勝・特別賞(東京エレクトロン株式会社)・全国大会出場
ロボット1は、100点スポットへの着地精度と、7kgもの橋(ロボット)を投射するパワーを兼ね備える特徴を持ちます。ロボット2は、オブジェクト全てを運ぶ回収機と、それを Aゾーンに帰還させる橋の2種類を使って、1分30秒以内という最速でのミッションコンプリートを達成します!
予選Bグループ初戦は、橋の展開にトラブルがありながらも確実にボックス1つボール2つの回収を達成し、大分Bに110点対0点で勝利しました。予選2試合目は、惜しくもコンプリート達成とはならなかったものの佐世保Bに290点対40点で勝利、予選2位で決勝トーナメント出場となりました。
準決勝では都城Bにコンプリート(1分45秒)で勝利しました。決勝戦では、八代Bに僅かな差で敗退、準優勝でしたが、全試合で確実な帰還を果たす安定性と、独自の回収機構、チームワークなどが評価され、東京エレクトロン賞受賞・全国大会出場を果たしました。
八代キャンパスAチーム「天涯海角(テンガイカイカク)」
アイデア賞
「ロボットを射出する」「着地する」「オブジェクトを回収する」「オブジェクトを持ち帰る」というそれぞれの目的を持った4台のロボットを用います。素早い射出で100点着地を狙うとともに、釣り竿の先にオブジェクト袋を取り付け、竿を圧縮空気で伸ばすことで接地禁止ゾーンを超えて持ち帰ります。
予選Eグループ初戦に登場、大分Aが170点を決めた後にボックス3つの持ち帰りに成功させ190-170で勝利しました。続く予選2試合目では、北九州Aと対戦、着地でロボットが転がり10点となり、ボックスを持ち帰れば逆転の可能性がありましたがオブジェクト袋が竿から外れてしまい、なかなか修正できず時間終了、10-40で予選リーグ敗退となりました。
しかしながら、オブジェクト持ち帰りの独創的なアイデアを評価され、アイデア賞を受賞しました。
八代キャンパスBチーム「MilkyHighway(ミルキーハイウェイ)」
優勝・全国大会出場
「ロボットを射出する」「着地する」「オブジェクトを全て回収する」「接地禁止ゾーンに橋を架ける」という4台のロボットで最速でのミッションコンプリートを目指します。オブジェクトの回収はシンプルな輪ゴムのローラーを回転させて箱とボールの区別なく一気にロボット内のスペースに収納します。
予選Aグループ第2試合に登場、全てのロボットが確実な動作を行ない本大会最初のコンプリートを1分48秒で決め、佐世保Aに勝利しました。続く予選2試合目は都城Aと対戦、着地した回収ロボットが分離できないアクシデントが発生し、オブジェクトを回収できませんでしたが40-10で勝利、準決勝では予選2試合目で発覚した問題を修正して挑戦し、本大会最速の1分26秒でのコンプリートを決めて北九州Aに勝利しました。
決勝戦は、同じくコンプリートを達成した熊本Bチームとの同校対決となりました。熊本Bが先にオブジェクト持ち帰りを決めて競技終了までどちらが勝つか分からない緊張の中で、点数で少しずつ差を拡げた八代Bが持ち帰りを決めて340-250で勝利、地区大会優勝と全国大会出場権を勝ち取りました。