平成27年11月21日(土)、28日(土)の2日間、熊本キャンパスにおいて社会人講座「多次元データ処理の基礎―3次元データのHOSVDによる低ランク化とその応用―」を実施しました。難しそうなテーマ名にもかかわらず、7名の方に参加していただき、ビッグデータ解析など、データ処理の重要さを再認識しました。
講座の内容は、1日目前半は講義で、特異値分解(SVD)を基礎として高次特異値分解(HOSVD)や、その応用である多次元主成分分析(MPCA)などについて理論的な話をしました。後半は、統計解析ソフトウェアRの実習で、一通り使い方をマスターしてもらいました。2日目は、MPCAによる医療データ分析の例についての講義の後、実習に移り、RでHOSVD計算のプログラムを、簡単な3次元データを例として作成してもらいました。その中で、3次元配列に格納したデータを3通りの行列に展開する モード展開がやや難問だったかも知れませんが、多次元データを扱うHOSVDの重要な考え方ですので是非理解して欲しいと思います。最後に、5×2×100のサイズの食品の嗜好度に関する3次元データに対してHOSVDを行い、その分解結果を用いてMPCAの多次元的な分析を行い、結果をグラフにプロットして終了となりました。
ほとんどの参加者は、プログラミングやデータ分析の経験をお持ちの方で、当初の計画通りスムーズに進みました。参加者へのアンケートの結果は好評で、仕事に役立てていただけそうな内容の記述ばかりでした。特にRに関心を持たれた方が多かったことも特筆されます。また、分かりやすく、雰囲気もよかったという感想もあり、私たちも楽しく行うことができましたので、総合的によい講座であったと考えています。来年度の開催を希望するという人がほとんどであり、是非また開催したいと思っています。参加者の皆様ありがとうございました。
(担当: 村上純、 山本直樹、石田明男)