令和7年9月28日(日)、福岡県大牟田市の大牟田市総合体育館(おおむたアリーナ)にて高専ロボコン九州沖縄地区大会が開催され、九州沖縄地区9高専の計20チームがロボット製作・制御技術を競いました。
競技課題「Great High Gate」
1台のロボットを用いて3分の競技時間でボックスを積み上げてゲートを作り、そのゲートを人が乗った台車と一緒に通過します。ゲートの高さ、通過回数、フィールドに置かれたパイロンの移動数等に点数があり、合計点が高いチームが勝利となります。
段ボール製のボックスで如何に素早く崩すこと無くゲートを作れるかロボットの精度が問われ、また、共有ゾーンでのボックスの取り合いは見応えがあります。
本校からは、両キャンパスそれぞれ2チームの計4チームが参加しました。決勝戦は熊本キャンパスAチーム、Bチームによる同校同キャンパス対決となり、接戦の結果、熊本キャンパスAチームが優勝、熊本キャンパスBチームが準優勝となりました。
また、準決勝で惜敗した八代キャンパスAチームも、なめらかな動きと高い安定性を評価されてアイデア賞を受賞、審査員推薦枠での全国大会出場権を勝ち取りました。
大会の様子は、高専ロボコン公式 YouTube にてご覧いただけます(本校出場試合ハイライトはこちら)。また、NHK総合にて11月8日(土)10:40から放映されます。

出場ロボット紹介
熊本キャンパスAチーム「強奪名星(ロブスター) 」
優勝・全国大会出場
私たちの目標は「全国優勝」です!
地区大会では、左右についている大きなアームと吸盤を巧みに使い、すばやい動きでどの試合でも高いゲートを積み上げました。全国大会に向けてさらに高いゲートを積み上げられるよう改良を続け、優勝します!

1試合目は、北九州高専Bチームとの対戦でした。予選を1位で通過するため、高得点を狙って3600mmのゲートに挑戦しました。途中、操縦トラブルなどにより大幅なタイムロスが発生しましたが、制限時間ギリギリの3分でゲート通過に成功。結果として、この試合で地区大会最高得点となる425点を記録しました。
2試合目では、沖縄高専Bチームと対戦しました。この試合では安定性を重視し、3300mmのゲートを作り確実に勝利を収めました。
準決勝では、八代キャンパスBチームとの対戦となりました。共有ボックスを巡って激しい取り合いが発生し、両チームとも大きくタイムを消費してしまいましたが、冷静に対応し、最終的に2800mmのゲートを作り勝利しました。
決勝は、同じキャンパスのBチームとの対戦となり、同校対決となりました。お互いに共有ボックスにほぼ同時に到達し、激しくボックスの回収を競い合う展開となりました。途中、ボックスの回収を妨害される場面もありましたが、粘り強く対応して回収に成功。その後のゲート作成では、Bチームが先に3300mmのゲートを完成させたものの、試合終了10秒前にこちらも3600mmのゲート通過に成功し、逆転勝利を収めました。
大会に向けて実戦的な練習を重ねながらロボットの改良を繰り返してきた結果、本番でも安定したパフォーマンスを発揮でき、非常に満足のいく成果を上げることができました。
熊本キャンパスBチーム「榜門(ヒョウモン)」
準優勝
私たちの目標は全国大会で「優勝」することです!!
大量の吸盤を使った、タコのような回収機構でどんなボックスも素早く回収し、 高いゲートを完成させます! 全国大会に出場できたらどのチームよりも高いゲートを積み上げます!

1試合目は、佐世保高専Aチームとの対戦でした。安定して得点を重ねるため、まず三角コーン3つを移動して15点を獲得。その後もミスなくボックスを回収し、330点ゲートの完成に成功。佐世保高専Aチームに勝利しました。
2試合目は、大分高専Bチームとの対戦でした。試合開始直後に共有ボックスエリアへ一直線に向かい、共有ボックスを4つ回収。大分高専Bチームは2分30秒の時点で220点ゲートを完成させましたが、こちらも後半に330点ゲートを完成させ、逆転勝利を収めました。
準決勝では、八代キャンパスAチームとの対戦でした。序盤から激しい共有ボックスの奪い合いを繰り広げ、接触などの影響で2度ボックスを落とし、計45秒間ロボットを動かせないペナルティを受けました。八代キャンパスAチームは先に280点ゲートを完成させ、こちらは苦しい展開が続きましたが、過去最速のタイムでボックスを回収し、320点ゲートを完成。見事、逆転勝利を果たしました。
決勝戦は、同じキャンパスのAチームとの対戦となりました。ミスなくボックスを回収し、先に330点ゲートを完成。しかし、Aチームは終了7秒前に360点ゲートを完成させ、惜しくも敗北しました。
八代キャンパスAチーム「建築は旋門凱(けんちくはせんもんがい)」
アイデア賞・全国大会出場
このロボットは、左右方向のスライドアームと前後の吸盤ユニット、ロジャーアームで構成されるユニットで、ボックスの保持、積み上げを行ない、ゲートを作ります。共有ゾーンでのボックスの取り合いを制するための高速ステアリングホイールを用いた高速移動が特徴です。

予選Bグループ初戦では、3200 mm のゲートを落ち着いて作り大分Aに395-10で勝利、続く2試合目は3300mmのゲートを作り鹿児島Bに400-5で勝利し、予選第2位で決勝トーナメントに進出しました。
決勝トーナメントでは、準決勝第1試合で熊本Bと対戦、共有ゾーンでの激しいボックスの取り合いで互いにファールし、その後の時間で八代Aが2800mmのゲートを作り2分30秒で通過しましたが、熊本Bが3200mmを2分50秒で達成して逆転され、285-375で準決勝敗退となりました。
しかしながら、なめらかな動きと高い安定性を評価されてアイデア賞を受賞、審査員推薦枠での全国大会出場権を勝ち取りました。
八代キャンパスBチーム「熊門(くまもん)」
準決勝進出(ベスト4)
このロボットは、ロジャーアームと吸盤による高速上下展開と橋かけ、ボックス移動用の前後方向のスライドアームが開閉式となっており、迂回せずに積み上げたボックスを通過することで、少ない移動量でゲートを組み上げることができる点が特徴です。

予選Eグループ初戦では、ファールでボックスが使えなくなったところを素早く方針転換して1900mmのゲートを着実に作り、佐世保Bに255-10で勝利しました。続く2試合目は北九州Aに対して2800mmのゲートを安定して作り、345-5で勝利、予選第4位で決勝トーナメントに進出しました。
決勝トーナメントでは、準々決勝で沖縄Aに345-10で勝利しました。熊本Aとの準決勝では、共有ゾーンのボックスの取り合いの後、両チーム2800mmのゲート争いとなりましたが、これまで問題がなかった橋かけが不調となって時間内でゲートを作ることができず、5-345で敗れました。