2022年3月25日(金)、熊本キャンパス及び八代キャンパスにて「メガミーティング2022」を開催しました。メガミーティングは、本校教職員・学生と、民間企業、自治体、金融機関及び高専OB・OGとの相互交流を通して「共創の場(コミュニティ)」を形成することを目的として開催したものです。今回は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、両キャンパス会場と遠隔参加者をWeb会議システムで接続するハイブリッド形式にて実施しました。
午前は、九州大学 日本エジプト科学技術連携センター 特任教授 浅野種正 氏と、株式会社FaroStar 代表取締役 星尚男 氏より基調講演を実施いただきました。浅野氏からは「九州の半導体産業の歩みとこれから」と題して、半導体の発展やこれまでの半導体産業の動向、また、九州における半導体産業の今後の動向について熊本キャンパスからの配信でお話しいただきました。星氏からは「地方から日本の空を変える、空の移動革命」と題して、空の移動革命に鑑みて熊本県が災害と共存し発展するために必要なことについて、東京からオンラインでつなぎ、特別な映像演出を交えてお話しいただきました。
- 基調講演1
- 基調講演2
午後は、本校教職員、学生及び企業によるワークショップ、口頭発表、メガミーティングカフェ及びポスター発表を行いました。
ワークショップでは、5つのテーマにて活発な議論が行われ、中でもワークショップ1「パネルディスカッション:九州・熊本の半導体産業のこれから」では、基調講演講師の浅野氏ほか、地域企業関係者をパネリストとして迎え、台湾TSMC社の熊本進出に伴い、本校及び九州地区の高専で検討を進めている人材育成教育プログラムの作成について、教育及び企業の立場からディスカッションいただきました。
- ワークショップ1
口頭発表では、本校教職員・学生からは5つのテーマで、企業からは3社より発表があり、積極的な交流がなされました。
メガミーティングカフェでは、本校両キャンパスの教職員がホストとなり、自身の教育・研究活動や取組み等について話題提供を行いました。熊本キャンパス:4件、八代キャンパス:5件の取組みが紹介され、内容ごとに課題やアイデアさらに展望などについて参加者とフリートークによる積極的な意見交換が行われました。会場とオンライン参加というハイブリッド形式を取り入れ、分野を超えて気軽に議論できる新たな交流の場とすることが出来ました。
ポスター発表では、感染症対策を充分に施した上で対面で実施しました。本校教職員及び学生合せて34件の発表、また企業の方より4件の展示をいただき、研究内容や最新の事業内容などが紹介されました。コアタイムでは、来場者とのディスカッションや意見交換により、企業様の事例やニーズを知ることのできた発表もありました。ポスターの他、映像や教材のデモンストレーションなどを交えた発表もありました。
【セッション名一覧】
No. | セッション名 | |
---|---|---|
ワークショップ | 1 | 【パネルディスカッション】 九州・熊本の半導体産業のこれから |
2 | 地域の子供達や高専生に対するSTEAM教育 | |
3 | 社会的課題に対しIoT技術を活用した協働的解決に取り組む高専生を育てる | |
4 | 熊本高専における「リベラルアーツ教育」前進に向けたディスカッション | |
5 | 【ディスカッション】 高専GEAR-ATの共生社会と支援技術の問題発見型・社会実装教育 | |
口頭発表 | 1 | 地盤災害の防災・減災に関する研究・技術紹介 |
2 | DXネットワークプロジェクト(DXNP) | |
3 | 東京エレクトロン九州・熊本高専連携型人材育成プログラムの取り組み紹介 | |
4 | 地域と連携した小学校プログラミング教育の取り組み紹介 | |
5 | 衝撃波応用技術研究ネットワーク | |
6 | 企業発表セッション | |
(株)日本コンピュータ開発様、(株)プリバテック様、(株)構造計画研究所様 | ||
メガミーティングカフェ | 八代キャンパス | 地域特産品の活用に向けた取り組みの紹介 |
人体の力学解析と筋電計測等(研究室紹介と自由な駄弁り) | ||
高等専門学校って高校1年生から大学4年生までが在籍すると聞くけれど、どんな研究活動をしているの? | ||
官学連携の取り組み(国土交通省 八代河川国道事務所) | ||
研究・教育活動を自由に紹介しあうカフェ | ||
熊本キャンパス | 明和寮国際棟の活用 ~地域連携ワークショップなど~ | |
高専での半導体製造実習の取組から医用バイオデバイスへの応用まで | ||
マルチGNSS受信機を搭載した小型ロボットカーとRTK用簡易基準局の紹介 | ||
黒石原支援学校との連携教育:学生実験を利用した支援教材の作成(プロトタイプの実演とディスカッション) |
本イベントは、全国の教育・企業・自治体関係者、本校教職員・学生など約600名(述べ人数:来場330,オンライン270)が参加し、活発な議論や相互交流が行われ、有意義なイベントとなりました。
本イベントの記事が、令和4年3月28日(月)付の熊本日日新聞に掲載されました。下記リンクより記事のPDFファイルを閲覧いただけますので、是非ご覧ください。
熊本日日新聞 (令和4年3月29日付18面)
「半導体産業 展望を議論 熊本高専がオープンキャンパス」(PDF:414KB)
※ 上記記事の著作権は熊本日日新聞社に帰属します。本ページ上での公開は、転載承認を受けて行っています。
※ 上記記事の転載は一切禁止します。
<各発表の様子>
ワークショップ2 地域の子供達や高専生に対するSTEAM教育
13件のテーマについて本校教員、学生、他高専・他大学教員、企業関係者による発表が行われました。本校両キャンパスの取組みを学内外に方々に周知でき、学外の興味深い活動については、本校の活動にとって参考となりました。また、学生の発表も多数実施し、学生への教育効果も大きいものとなりました。
ワークショップ3 社会的課題に対しIoT技術を活用した協働的解決に取り組む高専生を育てる
3件のテーマについて学生による取り組み内容の紹介が行われました。参加者との意見交換は、オンラインツール「LearnWiz」を用いて実施しました。多くの参加者からの感想、意見、質問を共有することができました。
ワークショップ4 熊本高専における「リベラルアーツ教育」前進に向けたディスカッション
本校のリベラルアーツ教育の概要を確認し、前半は各キャンパスにおける実践事例の報告、後半はグループごとにリベラルアーツ教育前進に向けたテーマを設定し、ディスカッションが行われました。リベラルアーツ教育に様々な形で関与する教員、また、教育プログラムを受ける学生の立場から多様な意見が抽出され、今後の発展につながり得る、多くの知見を得ることができました。キャンパス間での協働体制も確認することができました。
ワークショップ5 【ディスカッション】 高専GEAR-ATの共生社会と支援技術の問題発見型・社会実装教育
高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業(GEAR 5.0/COMPASS 5.0)の紹介と共生社会を創る「スクライビング」ワークショップが行われました。また、学生による活動の振り返りも行われました。菊池病院の方、合志市社会福祉協議会の方、学生との対話において、問題発見のワーキングを行った結果、学生から分野横断型能力に関して向上したという意見がありました。
口頭発表1 地盤災害の防災・減災に関する研究・技術紹介
6件のテーマについて関連企業5社、本校学生による発表が行われました。平成28年の熊本地震や令和2年7月豪雨災害における事例等を踏まえた発表と意見交換が行われました。
口頭発表2 DXネットワークプロジェクト(DXNP)
6件のテーマについて本校教員、学生、地域関係者による発表が行われました。令和4年度も引き続き、学内外にメンバーを募って活動を継続します。
口頭発表3 東京エレクトロン九州・熊本高専連携型人材育成プログラムの取り組み紹介
東京エレクトロン九州(株)様との探求型インターンシップについての紹介と、各キャンパスから2名ずつ学生による研究成果の発表を行いました。実施教員からは、本プログラムが、実践的な技術者育成や、先方技術者と本校教員の情報交換の場にもなっており、今後、共同研究による研究の活性化や地域貢献にもつなげていきたいとする展望が述べられました。東京エレクトロン九州(株)様からは、技術開発における想像力や探求心の重要性、また今後も高専生と一緒に取り組んでいきたいとのコメントを頂きました。
口頭発表5 衝撃波応用技術研究ネットワーク
衝撃波応用技術研究ネットワークメンバーの熊本高専、沖縄高専の教員及び学生によるネットワークの紹介及び研究成果発表が行われました。活発な議論により、今後の展望やアドバイスを頂きました。
口頭発表6 企業発表セッション
遠方より各キャンパスにお越しいただき、配信を含めた発表を行っていただきました。新しい働き方に関するご提案、各企業様の最新の技術紹介や、実際の事業現場での技術の実施事例をご紹介いただきました。
ポスター発表
メガミーティングカフェ
- 熊本キャンパス
- 八代キャンパス