令和4年3月10日、伝統干菓子「薏苡仁糖(よくいにんとう)」が「令和3年度優良ふるさと食品中央コンクール」で農林水産省大臣官房長賞を受賞したことを受けた八代市長への受賞報告会が開かれ、本校の技術・教育支援センター職員もプロジェクトの一員として同席しました。
干菓子「薏苡仁糖」は、八代に居城した細川忠興公が寛永9年(1632年)に作らせたのが始まりで、その後300年にわたって作り続けられていましたが、今から50年ほど前に製造が途絶えてしまいました。そこで肥後はとむぎ会よる復活プロジェクトが立ち上げられ、令和元年12月に同会より本校へ型枠を作って生産効率を向上したいという技術相談がありました。以後、本校の技術・教育支援センターが、シリコン製の型枠を製作する形でプロジェクトに参加しています。
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報告会には肥後はとむぎ会の柳口弘美様を代表とするハトムギ生産者や精麦会社社長、公立高校教諭などが参加され、柳口様より、はとむぎの栽培から製品化まではもとより、箱の包装紙や付属する冊子の文面やイラスト、包み紙を留めるシールに至るまでこだわりを持ち、その一つ一つに関係者の思いが込められ、薏苡仁糖を復活できたことに深い感謝の言葉が述べられました。また、本校が製作したシリコン型については特段のご配慮を頂き、現物を持ち込んで手に取りながら、品質や工夫した点をご紹介頂きました。
中村市長は、関係者に対する労いの言葉を述べるとともに、市として薏苡仁糖の魅力を全国にとどまらず、世界的にも広めたいとの考えを示されました。
今回の受賞理由は、この活動に関わった産学官の関係者が情熱を持ってそれぞれの役割を果たし、薏苡仁糖の復活を遂げた点が高く評価されたということです。微力ながらこの取り組みに携わったことは、熊本高専として誇り高く、大変喜ばしいニュースとなりました。
元和8(1622)年に八代城が築城して400年の節目に、八代市と薏苡仁糖の発展に期待が膨らみますが、本校もこの受賞を糧に、地域に必要とされる高専として飛躍することを目指します。
なお、本受賞については、熊本県知事への表敬も令和4年4月に予定されています。
写真提供:八代市、株式会社NAINAI