タイ王国スラナリー工科大学の学生と、さくらサイエンス交流事業で交流しました。(9/23-29)

2019.10.23 2019.10.25

令和元年9月23日~29日の7日間、さくらサイエンスプランの支援により、タイ王国スラナリー工科大学(Suranaree University of Technology) の学生7名と引率教員1名の計8名をお招きしました。

「タイ学生と高専生が科学技術アイデアソンを通してグローバルな視野を育む」をテーマとして、本校の学生とともに2015年に国連サミットで合意された「持続可能な開発のための2030アジェンダ、Sustainable Development Goals: SDGs」を念頭においた問題解決アイデアソンに取り組みました。

期間中、本校の研究室訪問や、熊本市内フィールドワーク、大分県玖珠郡九重町にある八丁原地熱発電所の見学を通して、日本の技術や自然、再生可能エネルギーにも触れました。7日間のプログラムの活動の様子を報告します。

【Day1】9月23日(月・祝)

スラナリー工科大から学生7名と引率教員1名が福岡国際空港へ到着しました。熊本高専の1年生11名が出迎えた後、福岡県太宰府市にある太宰府天満宮を参拝し、境内を案内しながら日本文化に触れました。

【Day2】9月24日(火)

熊本高専での活動を開始しました。

出迎えに参加したメンバーとは違う1年生メンバーと、午前中はアイスブレイクや互いの文化を紹介しました。午後は、熊本市内のフィールドワークに出かけ、晴天の中、熊本城や市街地を案内してお互いの距離を縮めました。

【Day3】9月25日(水)

この日から問題解決型アイデアソンを開催しました。スラナリー工科大の学生7名、本校の1年生22名、本校での研究活動のため来日したばかりのシンガポールからの短期留学生7名を加え、タイ人、シンガポール人、日本人の多国籍チームを構成してアイデアソンの活動を行いしました。

はじめにSDGsについて説明した後、それぞれの地域や、身の回りにある問題、あるいは世界で生じている問題をチーム内で共有し合い、解決を目指す問題を各チーム決定しました。3カ国のメンバーを含むチームで活動することにより、よりグローバルな視点でのディスカッションとなりました。

夕方には、弓道部やロボコン部の見学のほか学内研究室を訪問し、研究施設や本校で行なっている研究活動を紹介しました。訪問先では熱心に質問する様子が見られました。

【Day4】9月26日(木)

チームで決めた解決すべき問題についてディスカッションを進めました。

それぞれが取り組む問題が17のSDGsのどの目標に関連が深いかなどを考え、問題となっている事柄の背景や具体例も議論して、問題解決のためのアプローチに利用できる技術を工学系だけでなく様々な観点からアイデアを出し合いました。

1年生は年齢的にも若く、技術的な面、英語力の面でも苦労している様子が見られましたが、インターネットや翻訳アプリなども利用しながら自分達の考えを伝えていました。招へい学生は自らの知識を1年生に共有しながらチーム内のディスカッションを進めていました。

またこの日は、日本が誇る産業文化の一つである食品サンプルづくりの体験会も実施しました。

熊本市にある日本美術サンプル営業所様を講師に迎え、食品ディスプレイに用いられる天ぷらや野菜のサンプルづくりのデモンストレーションの後、参加者はパフェのサンプルづくりにもチャレンジしました。

この活動には、熊本高専の奨学後援会からも支援をいただきました。

【Day5】9月27日(金)

アイデアソン最終日の午前中はディスカッションを深めつつ、アイデア発表会に向けてプレゼンテーションの準備を進めました。

発表会では、水害や地震、水問題、健康管理、貧困問題など、各チームが導き出したアイデアを英語で発表しました。1年生全員が聴講し、プログラム参加学生以外の1年生もSDGsや様々なアイデアに触れる機会となりました。

学内最後の活動として異文化交流会も実施しました。

【Day6】9月28日(土)

阿蘇エクスカージョンに出かけました。

はじめに訪れた阿蘇神社では2016年に発生した熊本地震による被害や影響を学び、さらに八丁原地熱発電所を訪問しました。地熱発電は純国産の再生可能エネルギーを利用した発電施設であり、地熱を利用した発電の仕組みについて学びました。

また見学後には発電所側に所在する小松地獄を散策し、地中から湧き上がる地熱エネルギーのパワーを身近に感じました。

翌日は招へい学生の帰国日となるため、期間中に友情を深めあった学生たちは抱き合って別れを惜しみ、なかなか離れがたい様子でした。

【Day7】9月29日(日)

早朝に熊本を離れたスラナリー工科大の学生たちは、タイへの帰国の途につきました。

本プログラムを通じて多くの友情を育むことができました。新たに研究短期留学受け入れへの申し出もあり、両校の結びつきをより強いものとすることができました。さくらサイエンスを始めご支援いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。

【外部サイト:国立研究開発法人 科学技術振興機構】
日本・アジア青少年サイエンス交流事業さくらサイエンスプラン
https://ssp.jst.go.jp/

本事業は、グローバルリーダーシップ育成センター事業の一環として実施しているものです。その他、グローバルリーダーシップ育成センターの事業については、下記ページをご覧ください。