2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードTE408
科目名ディジタル設計(Digital system design) 単位数2単位
対象学科情報通信エレクトロニクス工学科対象学年4開講期間通年
科目区分専門基礎科目必修・選択必修履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数(単位時間)60  
教員名(所属)
葉山清輝(情報通信エレクトロニクス工学科)教員室
2号棟2階
使用教科書
葉山清輝,「作って学ぶCPU設計入門」,森北出版
参考書
白土義男,「図解ディジタルICのすべて」,東京電機大学出版局
科目の位置付けと
関連科目
本科目は3年で使い方を学んだマイクロコンピュータが実際にどのように作られているかを学ぶ.5年時のディジタルシステムに続く科目である.
科目の概要コンピュータのハードウェアの基礎となる論理素子(TTL-IC,フリップフロップ)を用いた基本回路を学習すると共にコンピュータの基本構成,各回路の動作原理について解説する.教育用の小規模な仮想コンピュータを用いて計算機のアーキテクチャの実例を解説する.この仮想コンピュータを題材に,論理集積回路による計算機の設計について解説し,回路シミュレータを用いて設計演習を行う.
授業方針1.コンピュータのハードウェアに用いられる論理回路の基本動作が理解でき,コンピュータの基本構成および処理の基礎的流れを把握し,コンピュータを動作させるために必要な機械語のプログラムができる.
2.仮想コンピュータを用いたシミュレーションにより,アセンブラ言語の必要性と機械語への変換,各種レジスタ,フラグレジスタなどの基礎的な計算機構成の仕組みと操作ができる.
3.論理集積回路を用いた計算機の設計と回路シミュレータによる検証ができる.

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

ガイダンス
2
本授業の概要,学習の進め方,本科目の評価法などの全体的ガイダンスを行う.
コンピュータの基礎
6
計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,情報を処理するためのデータの内部表現である2進数,16進数の基本演算ができる.
CPUの内部構造
6
計算機の基本構成である五大装置を把握し,データ処理の基本的な流れが理解し,説明することができる.
エミュレータによる8ビットCPUの動作理解
8
エミュレータを使って教育用に設計された8ビットCPUの具体的な動作を学び,CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,動作確認できる.
エミュレータによるアセンブリプログラミング演習
6
教育用8ビットCPUの機械語プログラミングができる.外部装置との入出力を行うことができる.
回路シミュレータを用いた8ビットCPUの設計
8
回路シミュレータを使った8ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.
ハードウェア記述言語の学習
8
ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
ハードウェア記述言語を用いた8ビットCPUの設計
8
ハードウェア記述言語を使った8ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.
ハードウェア記述言語を用いた16ビットCPUの設計
8
汎用的に機能拡張した16ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

コンピュータの基礎計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,2進数,16進数の基本演算ができる.計算機の五大装置を把握し,データ処理の流れを理解し,具体的な説明できる.計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,2進数,16進数の基本演算ができる.計算機の五大装置を把握し,データ処理の基本的な流れを理解し,説明できる.2進数,16進数の基本演算ができない.計算機の五大装置をとデータ処理の基本的な流れが理解できない.
8ビットCPUの動作理解CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,教育用8ビットCPUのエミュレータを用いて具体的な動作を説明できる.CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,説明できる。教育用8ビットCPUのエミュレータの基本的な動作を理解し,説明できる.CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解できない.教育用8ビットCPUのエミュレータの動作が理解できない.
ハードウェア記述言語の基礎ハードウェア記述言語について理解し,比較的複雑なデジタル回路の設計ができる.ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.ハードウェア記述言語について十分に理解できず,簡単なデジタル回路の設計できない.
ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計例を理解し,独自の改変や動作確認をすることができる.ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計例が理解できず,動作確認することができない.
評価方法及び
総合評価
定期試験では,試験期毎に学習した内容について試験する.試験毎に,基礎的問題から応用問題までを出題する.適宜課題を出し,レポートを提出させる.10%を上限としてレポート点を総合評価に含める.4回の定期試験毎の評価平均を年間総合評価とする. 60点以上の評点で目標達成とする.
学習方法PCによる演習が主なので、授業中に気を抜かないように、説明をよく聞きながら演習を進めてください。
学生への
メッセージ
質問は授業中でも教員室でも随時受け付ける.
学修単位への対応本科目は,90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる.自学自習時間相当の課題を課す.
本校教育目標との対応
(3)
JABEE学習教育目標との対応
B-1(◎)