2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードTE404
科目名電気回路学U(Electric Circuits) 単位数2単位
対象学科情報通信エレクトロニクス工学科対象学年4年開講期間通年
科目区分専門基礎科目目必修・選択必修履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数(単位時間)60  
教員名(所属)
伊山 義忠(情報通信エレクトロニクス工学科)教員室
1号棟 4階
使用教科書
小郷 寛原著,小亀 英己, 石亀 篤司著「基礎からの交流理論」 電気学会
参考書
大下眞二郎著「詳細電気回路演習(上)」「詳細電気回路演習(下)」共立出版
科目の位置付けと
関連科目
本科目は、第3学年で学んだ電気回路に関する理論を基礎にしており、電気・電子工学関係の資格試験、大学編入試験、就職試験などの出題範囲となる頻度が高い。
科目の概要多相交流、ひずみ波交流、過渡現象など、より高度な電気回路理論について講義する。これらの学習を通して、三相交流の基礎と電源系統への応用、周期関数のフーリエ級数展開とひずみ波の取り扱い及び線形受動回路の過渡応答に関する定量的解析能力を養う。
授業方針1.対称3相交流及び回転磁界の基礎理論と応用について説明と計算ができる。2.ひずみ波のフーリエ級数展開と周波数スペクトルの概念について説明と計算ができる。3.過渡現象における回路方程式について説明と計算ができる。

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

1.ガイダンス
1
本授業の概要や評価方法に関するガイダンスを行なう。
2.3年次の応用
7
3年時までに学習した電気回路の応用問題を解くことができる。
3.三相交流と電力
10
電源側,負荷側を星型結線,環状結線とした四つの組み合わせに対し、三相交流の回路計算、有効電力,無効電力の測定法について理解し説明できる。
4.ひずみ波交流
10
ひずみ波の発生と波形合成/分解について理解し説明できる。
5.フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(1)
6
フーリエ級数展開を理解し、基本的なひずみ波についてはフーリエ級数展開できる。
6.フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(2)
4
ひずみ波の実効値,ひずみ率,ひずみ波交流の電力が計算できる。
6.過渡現象(1)
4
回路方程式の立て方,初期条件の設定の仕方と解き方を理解し説明できる。
7.過渡現象(2)
8
RC回路,RL回路,LC回路およびRLC回路の回路方程式を解くことができる。
7.過渡現象(3)
4
過渡現象中に消費されるエネルギー,RLC回における過制動,臨界制動,不足制動(振動)の概念を理解し説明できる。
7.ラプラス変換
6
ラプラス変換を用いた過渡現象の解析法を理解し説明できる。

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

三相交流対称三相回路において、フェーザ図を用いて、電圧、電流、電力等の関係について説明と計算ができる。対称三相回路について計算ができる。対称三相回路について計算ができない。
ひずみ波奇関数、偶関数の特徴を利用して、与えられた波形をフーリエ級数展開することができる。与えられた波形のフーリエ級数を計算することができる。与えられた波形のフーリエ級数を計算できない。
過渡現象とラプラス変換回路の過渡応答を時間軸で図示し、特徴を解析することができる。回路方程式を立てて、回路の過渡応答を計算することができる。回路方程式を立てることがでない。
評価方法及び
総合評価
定期試験等筆記試験(60%)、平常テスト評価(25%)、演習レポート評価(15%)を総合し、60%以上の得点率で合格とする。平常テストを受験しなかった場合は定期試験に準じて追テストを行い評価する。演習レポートの提出期限は課題提示と同時に示し、期限に遅れて提出されたレポートの評価点は、遅延に応じて減点する。
学習方法フーリエ級数展開,過渡現象解析に用いるラプラス変換は,電子工学系技術者にとっては重要である。3学年次の電気回路学Tの講義内容について十分に復習して受講することが望まれる。
学生への
メッセージ
各授業項目の自学学習のためにレポート課題および演習問題を提供する。レポート課題は提出期限を勘案して評価する。演習問題に関しては評価に加味しないが、実力養成のためであるので、家庭学習の際に役立てて貰いたい。質問等は空き時間に随時受け付ける。
学修単位への対応本科目は90分の授業に対して、放課後・家庭で90分程度の自学学習が課せられます。
本校教育目標との対応
(3)
JABEE学習教育目標との対応
C-2(◎)