2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードLK304B
科目名線形代数(Linear Algebra) 単位数2単位
対象学科制御情報システム工学科対象学年3年開講期間通年
科目区分基礎科目必修・選択必修履修/学修履修単位
授業形式講義規定授業時数(単位時間)60  
教員名(所属)
福田 真(共通教育科 非常勤講師)教員室
1号棟1階(非常勤講師室)
使用教科書
「新訂 線形代数」 大日本図書
参考書
「線形代数問題集」 大日本図書稲葉三男著 「行列」 共立出版
科目の位置付けと
関連科目
2年生までに学習した数学の内容は本科目の学習に不可欠である。また理系科目に不可欠な基礎教科である。
科目の概要行列と行列式の基本的な性質を調べ、それらの性質の連立方程式や固有値問題への応用を学習する。このことにより線形代数の基礎をなすベクトル空間と線形写像についての理解を図る。微分積分とともに行列や行列式を含む線形代数の考え方は、工学系の専門学科の内容とも深く関わってくる基礎的概念の一つである。
授業方針この授業で取り上げる項目について次の事柄ができることを目標にする。(1) 基本的な計算ができる(2) 定義や定理・公式の意味を理解し応用問題への適用ができる(3) 自らの力で分析や統合を行い、学習内容を活用できる(4) 既

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

1. 行列の基本事項と連立方程式への応用
20
 ・行列の和や積の演算ができる。 ・正則行列の意味を理解し、掃き出し法を使って逆行列が計算できる。 ・行列の階数について理解し、階数が計算できる。 ・連立方程式の解法に行列が応用できる。
2. 行列式
15
 ・2次、3次の行列式の図形的意味が理解できる。 ・一般の次数の行列式の意味を理解し、計算できる。 ・行列式を、逆行列の計算や連立方程式の解法などに応用できる。
3. 行列の応用
25
 ・一次変換(線形変換)の意味を理解し、そのイメージが描ける。 ・直交変換について理解する。 ・固有値、固有ベクトルの意味、基本的な性質を理解する。 ・固有値、固有ベクトルが計算できる。 ・固有値、固有ベクトルを応用して、行列の対角化や2次形式に関する問題が解決できる。

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

行列に関する和、差、積、逆行列を計算できるようになる。行列と数との演算の違いを理解し、線形代数の構造を理解する。数の四則演算と同様に行列の演算を行うことができる。行列の和、差、積、逆行列を求めることができない。
行列式を求めることができ、連立1次方程式の解法などの様々な行列に関する計算ができる。平行四辺形の面積と行列式との関係などから、線形代数と幾何学との関連を理解する。n次正方行列の行列式を計算でき、様々な応用を行うことができる。行列式を求めることができない。
線形変換を理解し、図形の線形変換などができるようになる。線形変換の基本性質を理解し、n次元ベクトルの線形変換を考えることができるようになる。平面、空間ベクトルの線形変換について、合成変換、逆変換などを求めることができ、回転を表す線形変換や直交変換を理解する。線形変換に関する計算を行うことができない。
固有値、固有ベクトルを求め、対角化を行うことができ、2次形式の標準形を求めるなどの応用を行うことができる。固有ベクトルの幾何学的な意味や、直交行列による対角化の意味を理解する。対角化を行うことができ、2次形式の標準形や行列のn乗の計算ができるようになる。固有値、固有ベクトルを求めることができず、対角化を行うことができない。
評価方法及び
総合評価
定期試験 (60%)、小テストと課題 (40%) の割合で総合的に評価し、60%以上で目標達成とする。なお、正当な理由無く小テストを受験しなかった場合は0点として取り扱う。また、到達目標を達成できなかった学生に対しては、再学習を課し、その後、再度到達度を確認するための試験をし、再評価することがある。
学習方法2年生までに学習した数学の内容は本科目の学習に不可欠である。また理系科目に不可欠な基礎教科であるので心して学習に取り組むこと。おおむね講義1時間に対して、予習・復習として同程度の自宅学習が必要である。また、大学編入試験ではよく出題される分野である。
学生への
メッセージ
線形代数は微積分と並び、全ての自然科学の基礎と言ってもよい。本講義を通して論理的思考と数学の基本を習得してもらいたい。
学修単位への対応 
本校教育目標との対応
 (3)
JABEE学習教育目標との対応
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