2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードLK203
科目名倫理A (Ethics A) 単位数2単位
対象学科全学科対象学年2年開講期間通年
科目区分基礎科目必修・選択必修履修/学修履修単位
授業形式講義規定授業時数(単位時間)60  
教員名(所属)
永野拓也(共通教育科) 教員室
1号棟2階
使用教科書
平木幸二郎ほか編『倫理』東京書籍
参考書
廣松渉ほか編『岩波哲学・思想事典』岩波書店 永井均『倫理とは何か―猫のアインジヒトの挑戦』産業図書 島田虔次『朱子学と陽明学』中公新書 伊藤聡『神道とは何か』中公新書 竹村牧男『入門 哲学としての仏教』講談社現代新書 
科目の位置付けと
関連科目
次々年度における哲学の基礎科目と位置付けられる。
科目の概要この授業では、共存と生きがいの重要さという観点から、次の事柄を解説する。
1.青年期の課題 青年期における共存と生きがいの重要さについて
2.さまざまな倫理思想 共存と生きがいの重要さを説くさまざまな考え方
授業方針1.青年期の課題   @青年期の位置づけと課題  A共存の重要性と生きがいを探る必要 これらに関する発達心理学の基本的な考え方を理解し、意味を解説できる。
2.さまざまな倫理思想   それぞれの思想において、@共存の重要性  A生きがいの重要性 を説明する上で基本的な事項を理解し、意味を解説できる。

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

1.青年期の課題
4
@青年期の位置づけと課題
A共存の重要性と生きがいを探る必要
に関する発達心理学の基本的な事項を理解できる。(定期試験で評価)
2−1 古代ギリシアの倫理思想
10
前ソクラテス期からヘレニズムまでの倫理思想について、
@共存の重要性
A生きがいの重要性
を説明するための基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)
2−2 中国の倫理思想
8
孔子から陽明学にいたる儒学と道家思想について、
@共存の重要性
A生きがいの重要性
を説明するための基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)
2−3 インド哲学と仏教の倫理思想
6
ウパニシャッド哲学から中国の密教の倫理思想について、
@共存の重要性
A生きがいの重要性
を説明するための基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)
2−4 前近代日本の倫理思想
8
古代の神信仰から江戸末期の儒学諸派や国学について、
@共存の重要性
A生きがいの重要性
を説明するための基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)
2−5 ユダヤ教・キリスト教とイスラームの倫理思想
8
ユダヤ教、カトリックとプロテスタント、およびキリスト教と対比されるかぎりでのイスラームについて、
@共存の重要性
A生きがいの重要性
を説明するための基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)
2−6 西欧近代社会思想
8
17世紀の社会契約思想から、カントの道徳論、ヘーゲルの人倫論を経てマルクスの共産主義までについて、
@共存の重要性
A生きがいの重要性
を説明するための基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)
2−7 科学技術と人間
8
近代科学の誕生とともに現れた機械論的自然観・人間観と、それに対立する19世紀以後の全体論的自然観・人間観、また両者にとっての科学技術の役割を説明する上で必要となる、基本的概念を理解し、意味を説明できる。(試験前の事項説明小テストと定期試験で評価)

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

青年期の特徴と課題について、基礎的な語句を概ね判別でき、文章による説明や、それを用いた論述ができる。青年期の特徴と課題について、基礎的な語句の半数強を判別でき、文章による説明ができる。青年期の特徴と課題について、基礎的な語句の半数弱を判別できるとしても、文章による説明は困難である。
2−1〜2−6西欧、中国、インド、日本の倫理思想と、ユダヤ教・キリスト教・イスラームの倫理思想について、基礎的な語句を概ね判別でき、文章による説明や、それを用いた論述ができる。西欧、中国、インド、日本の倫理思想と、ユダヤ教・キリスト教・イスラームの倫理思想について、基礎的な語句の半数強を判別でき、文章による説明ができる。西欧、中国、インド、日本の倫理思想と、ユダヤ教・キリスト教・イスラームの倫理思想について、基礎的な語句の半数弱を判別できるとしても、文章による説明は困難である。
2−7科学技術をめぐる機械論的な理解と全体論的な理解について、基礎的な語句を概ね判別でき、文章による説明や、それを用いた論述ができる。科学技術をめぐる機械論的な理解と全体論的な理解について、基礎的な語句の半数強を判別でき、文章による説明ができる。科学技術をめぐる機械論的な理解と全体論的な理解について、基礎的な語句の半数弱を判別できるとしても、文章による説明は困難である。
評価方法及び
総合評価
授業項目1〜2から定期試験を出題する(80%)。試験前に行う事項説明小テスト(20%)と合わせて総合評価し、60%以上で目標達成とする。提出期日に遅れた論述課題は0点とする。
学習方法試験問題は、板書した内容と、教科書をもとに作成する。対策として、まず講義を聴きもらさないようにする。板書のノートを整理してとる。これを通読して、講義の内容を理解する。教科書の対応箇所は必ず一読し、ノートと照合すると理解を促すと思われる箇所にはアンダーラインを引く。
学生への
メッセージ
この授業は、日常生活、さまざまな人間関係の問題についてみなさんが持つ意見を、きちんと理屈だてて整理し、視野を広げ、問題の根を探るための授業です。「そのために」一定のことがらを覚える必要はありますが、覚えること自体が目的ではありません。授業で知ったことについて、日常的な具体例を自分で考え、考えたことを伝えようとしてみてください。試験で得点できるということは、こういう主体的な応用ができるということを意味します。
学修単位への対応 
本校教育目標との対応
(4)、(5)、(6)
JABEE学習教育目標との対応
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