2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードHI409
科目名オペレーティングシステム(Operating System) 単位数2単位
対象学科人間情報システム工学科対象学年4年開講期間通年
科目区分専門基礎科目必修・選択必修履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数(単位時間)60  
教員名(所属)
大隈 千春(人間情報システム工学科)教員室
3号棟2階
使用教科書
古市栄治,「オペレーティングシステム入門[新版]」,日本理工出版会
参考書
岩波書店河野清尊,「C言語によるUNIXシステムプログラミング入門」,オーム社
科目の位置付けと
関連科目
ハードウェア系科目「コンピュータアーキテクチャ」とソフトウェア系科目「データ構造とアルゴリズム論」等を関連付ける基礎となる科目である.また,5年次選択科目「情報ネットワーク」におけるシステムプログラミングに繋がる科目である.
科目の概要オペレーティングシステム(OS)はコンピュータを動かす上で最も基本的で必要不可欠なソフトウェアである.本科目では,主にUNIXと呼ばれるOSを対象として,その使い方の学習を通してプロセスや,メモリ管理,デバイス管理といった仕組みを理解し,OSの機能や役割について学ぶ.
授業方針OSの一つであるUNIXについて,UNIXユーザとしての最低限の知識,主要なUNIXコマンドについて実技を通して学習する.OSの動作の仕組みや構成の概要を学習し,OSが行うプロセス制御について学ぶ.

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

ガイダンス
1
オペレーティングシステムの概要
3
オペレーティングシステムの概念と仕組みおよび,その特徴や歴史などを説明できる.
UNIXシステム・UNIXコマンド
16
UNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,適切にファイルを保護することができる.また,主要なUNIXコマンドについてその利用と動作について説明できる
プロセスの制御
8
プロセスの状態とその状態遷移,デッドロックの問題など,プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明できる.プロセスの生成,UNIXのプロセスの生成などについて学ぶ.
プロセスのスケジューリング
8
並行プロセスの動機,プロセスのスケジューリングについて説明できる.UNIXのスケジューリングやプロセスの優先度の調整を行うことができる
割り込み制御
8
割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明できる.システムコールについて学ぶ.
仮想記憶システム
8
主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングについて理解し,説明できる.
入出力とファイルの制御
8
入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明でき,ファイルシステムの効率的なアクセス手法を説明できる.

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

(UNIXシステム・UNIXコマンド)UNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,ファイルを適切に保護することができる.

主要なUNIXコマンドを十分に使いこなすことができる.
UNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,ファイルを保護について理解できる.

主要なUNIXコマンドについてその利用と動作について説明できる
UNIXシステムの利用が十分にできない.
(プロセス制御とスケジューリング)プロセスの状態とその状態遷移,プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明がよくできる.
プロセスのスケジューリングについてタイミングチャートを書き、その挙動をよく説明できる.
プロセスの状態とその状態遷移,プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明ができる.
プロセスのスケジューリングについてその挙動を説明できる.
プロセスの状態や遷移を説明できない.

プロセスのスケジューリング手法について説明できない.
(割り込み制御)割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明でき,割込発生時のタイミングチャートを書くことができる.割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明できる割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明できない.
(仮想記憶システム)
(入出力とファイルの制御)
主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングについて理解し,説明でき,実アドレスの計算ができる.


入出力制御の仕組み,ファイルシステムの効率的なアクセス手法を十分に説明できる.
主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングについて理解し,説明できる.

入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明できる.ファイルシステムの効率的なアクセス手法を説明できる.
主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングを理解できない.

入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明できない.
評価方法及び
総合評価
【評価方法】定期試験等の筆記試験,小テスト,演習レポートで評価する.【総合評価】定期試験60%,小テスト20%,演習レポート20%を総合して評価する.総合評価において60%以上の得点率で合格とする.
学習方法プログラミング等の学習環境として利用してきたUNIXなどのOSについて,そのコマンドの利用なども含めて実技学習も行う.必要に応じて,参考書やwebページも利用して学習を進める.
学生への
メッセージ
講義・演習内容に対する質問などは,授業中を含めて随時,またメール等でも受け付ける.
学修単位への対応本科目は90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます。
本校教育目標との対応
(2)
JABEE学習教育目標との対応
B-1(◎)