科目コード | HI405 | ||||
科目名 | 応用電子回路(Applied Electronic Circuits) | 単位数 | 2単位 | ||
対象学科 | 人間情報システム工学科 | 対象学年 | 4年 | 開講期間 | 通年 |
科目区分 | 専門基礎科目 | 必修・選択 | 必修 | 履修/学修 | 学修 |
授業形式 | 講義 | 規定授業時数(単位時間) | 60 |   | |
教員名(所属) | 三好正純(人間情報システム工学科) | 教員室 | 6号棟3階 | ||
使用教科書 | 清水賢資,鴻田五郎「パルス回路の考え方」オーム社 自作プリント | ||||
参考書 | 山本外史「パルスとディジタル回路」理工学社 | ||||
科目の位置付けと 関連科目 | 電子情報系専門基礎科目であり、関連科目は電気回路学(3年)・電子回路学(3年)・線形システム(5年)などである. | ||||
科目の概要 | コンピュータインターフェース等で用いられるパルス回路を取り上げ,パルス波形や種々の回路応答を過渡現象の立場から理解する.過渡現象の解析では回路方程式(微分方程式)と,その解法も理解する.また、マルチバイブレータや波形操作回路など代表的な回路について動作のしくみを理解し,回路設計の基礎を学ぶ. | ||||
授業方針 | 1.RC,RL,RLC回路のパルス応答について回路方程式とその解を導出する. 2.ダイオード・トランジスタのパルス応答を理解し問題点と対策を考える. 3.マルチバイブレータの動作原理を理解し,回路設計における注意点を考える. 4.波形操作回路について理解し,簡単な回路設計を行う. |
授業項目 | 時数 | 達成目標(習得すべき内容) |
1.ガイダンス | 授業の内容・位置づけ,達成目標,評価方法,履修上の注意点などを理解する. | |
2.パルス波形の特徴と取扱い | パルス波形の特徴を理解し,ステップや方形パルスなど代表的な波形の取扱いができる. | |
3.線形回路網の回路方程式と微分方程式 | 線形回路網の基本的取扱いができ,回路方程式を微分方程式で表現できる. | |
4.RC回路網の微分方程式と解の性質 | 線形1階常微分方程式の解の性質を理解し利用できる. | |
5.RC回路・RL回路のパルス応答 | RC回路やRL回路に代表的なパルス電圧を入力したときの応答波形を見積もることができる. | |
6.微分回路と積分回路 | RC回路と微分・積分回路との関係を理解し説明できる. | |
7.ラプラス変換と微分方程式 | ラプラス変換の基本的性質を理解し,微分方程式の解法に利用できる. | |
8.RLC回路網の微分方程式と解の性質 | 線形2階常微分方程式の解の性質を理解し,制動について説明できる. | |
9.ダイオードの静特性とスイッチング特性 | pn接合ダイオードの静特性を近似した等価回路を利用できる.また,スイッチング特性として順方向・逆方向の各回復特性を説明できる. | |
10.トランジスタの静特性とスイッチング特性 | バイポーラトランジスタの静特性を理解し,ターンオン時とターンオフ時のスイッチング特性を説明できる. | |
11.MOSFETのパルス応答 | MOSFETの種類と静特性を理解し,スイッチ回路におけるターンオン時とターンオフ時の各パルス応答を説明できる. | |
12.マルチバイブレータ | 双安定・単安定・無安定の各種マルチバイブレータの仕組みを理解し,それらの動作を説明できる. | |
13.波形操作回路 | パルス波形を振幅軸上に操作する各種回路について,動作原理を理解し,基本的な回路設計ができる. |
ルーブリック | |||
評価項目 | 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
・パルス波形の特徴と取扱い ・線形回路網の回路方程式と微分方程式 ・RC回路網の微分方程式と解の性質 ・RC回路・RL回路のパルス応答 ・微分回路と積分回路 | パルス波形の特徴を理解し,任意の波形の取扱いができる. 複数の閉路をもつ線形回路網の回路方程式を微分方程式で表現できる. 線形1階常微分方程式の解の性質を十分に理解し活用できる. RC(RL)回路に代表的なパルス電圧を入力したときの応答波形を見積もり関数化できる. 微分・積分回路の特徴を定量的に説明できる. | パルス波形の特徴を理解し,代表的な波形の取扱いができる. 線形回路網の回路方程式を微分方程式で表現できる. 線形1階常微分方程式の解の性質を理解し利用できる. RC(RL)回路に代表的なパルス電圧を入力したときの応答波形を見積もることができる. 微分・積分回路の特徴を説明できる. | パルス波形の特徴説明と代表的な波形の取扱いができない. 線形回路網の回路方程式を微分方程式で表現できない. 線形1階常微分方程式の解の性質を利用できない. RC(RL)回路に代表的なパルス電圧を入力したときの応答波形を見積もることができない. 微分・積分回路の特徴を説明できない. |
ラプラス変換と微分方程式 RLC回路網の微分方程式と解の性質 | ラプラス変換の基本的性質を十分に理解し,連立微分方程式の解法にも利用できる. 線形2階常微分方程式の解の性質を理解し,制動について定量的な説明できる. | ラプラス変換の基本的性質を理解し,微分方程式の解法に利用できる. 線形2階常微分方程式の解の性質を理解し,制動について説明できる. | ラプラス変換の基本的性質を理解不足で微分方程式の解法に利用できない. 線形2階常微分方程式の解の性質を理解できず,制動について説明できない. |
ダイオードの静特性とスイッチング特性 トランジスタの静特性とスイッチング特性 MOSFETのパルス応答 | pn接合ダイオードの静特性をスイッチ回路で近似し応用することができ、スイッチングにおける順方向・逆方向回復特性を定量的に説明できる. バイポーラトランジスタの静特性をキャリア動作として理解し,ターンオン時とターンオフ時のスイッチング特性を定量的に説明できる. MOSFETの種類と静特性をキャリア動作として理解し,スイッチ回路におけるターンオン時とターンオフ時の各パルス応答を定量的に説明できる. | pn接合ダイオードの静特性をスイッチ回路で近似することができ、スイッチングにおける順方向・逆方向回復特性を説明できる. バイポーラトランジスタの静特性を理解し,ターンオン時とターンオフ時のスイッチング特性を説明できる. MOSFETの種類と静特性を理解し,スイッチ回路におけるターンオン時とターンオフ時の各パルス応答を説明できる. | pn接合ダイオードの静特性をスイッチ回路で近似することができない.また、スイッチングにおける順方向・逆方向回復特性を説明できない. バイポーラトランジスタの静特性の理解不足で,ターンオン時とターンオフ時のスイッチング特性を説明できない. MOSFETの種類と静特性,およびスイッチ回路におけるターンオン時とターンオフ時の各パルス応答を説明できない. |
マルチバイブレータ 波形操作回路 | 双安定・単安定・無安定の各種マルチバイブレータの仕組みを十分に理解し,それらの動作を定量的に説明できる. パルス波形を振幅軸上に操作する各種回路について,動作原理を理解し,応用回路の設計に応用できる. | 双安定・単安定・無安定の各種マルチバイブレータの仕組みを理解し,それらの動作を説明できる. パルス波形を振幅軸上に操作する各種回路について,動作原理を理解し,基本的な回路設計ができる. | 双安定・単安定・無安定の各種マルチバイブレータの仕組みと動作を説明できない. パルス波形を振幅軸上に操作する各種回路について,動作原理の説明および基本的な回路設計ができない. |
評価方法及び 総合評価 | 項目1〜6:前期中間試験で評価する.得点率60%未満の者には復習(1週間以上)を課し,復習後に1回の試験を実施し得点率70%以上で中間試験の得点率60%相当として評価する.項目7〜8:前期末試験で評価する.得点率60%未満の者には復習を課し,復習後に1回の試験を実施し得点率70%以上で期末試験の得点率60%相当として評価する.項目9〜11:後期中間試験で評価する.得点率60%未満の者には復習を課し,復習後に1回の試験を実施し得点率70%以上で中間試験の得点率60%相当として評価する.項目12〜13:後期末試験で評価する.4回の定期試験(中間試験2回と期末試験2回)の評価を基に,復習後の試験による評価を考慮し,総合的に判断して評価する.総合評価の得点率が60%以上を合格とする. |
学習方法 | 暗記ではなく理解に努め,練習問題で理解の程度を確認しましょう. |
学生への メッセージ | 本科目は,パルス回路の基本的事項を扱い,電気主任技術者試験などの資格試験に必須である.関連する科目は電子工学,電気回路および電子回路であり,これらの科目の講義内容について十分に復習して受講することが望まれる. |
学修単位への対応 | 本科目は,90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習(予習・復習,レポート等)が求められます. |
本校教育目標との対応 | JABEE学習教育目標との対応 |