科目コード | HI202 | ||||
科目名 | 計算機工学 (Computer Engineering) | 単位数 | 3単位 | ||
対象学科 | 人間情報システム工学科 | 対象学年 | 2年 | 開講期間 | 通年 |
科目区分 | 専門基礎科目 | 必修・選択 | 必修 | 履修/学修 | 履修 |
授業形式 | 講義 | 規定授業時数(単位時間) | 90 |   | |
教員名(所属) | 赤石 仁(人間情報システム工学科)清田 公保(人間情報システム工学科) | 教員室 | 3号棟2F・3号棟3F | ||
使用教科書 | 松下俊介著 「基礎からわかる論理回路」 森北出版 | ||||
参考書 | 浜辺隆二著 「論理回路入門」 森北出版 | ||||
科目の位置付けと 関連科目 | 本講義はデジタル技術・情報処理技術に関する資格試験の基礎となる科目である.コンピュータアーキテクチャー,マイクロコンピュータによる制御技術などの多くの専門分野に利用されている.本科目は,3年次の「コンピュータアーキテクチャー」,4年次の「マイクロコンピュータ」などの科目の基礎として位置づけられる. | ||||
科目の概要 | コンピュータのハードウェアに関する基本的事項を修得するために,計算機内部で使用される論理回路の基礎知識として,組合せ回路と順序回路の設計法を講義する.講義では,計算機内部におけるデジタル情報の表現法,論理演算,組合せ回路の設計法および順序回路の設計法を具体的に解説する.また,ロジックICの実践的な利用法を修得するために,講義と並行してロジックトレーナーによる演習を行う. | ||||
授業方針 | @計算機内部におけるデジタル情報の取り扱いとして2進数や16進数による計算ができる.A論理値の概念を理解し,論理式の取り扱いができる.B論理関数表現(簡単化を含む)とMIL記号による表現との相互変換ができる.C組合せ回路の設計法を理解し,加算器や比較器などの具体的な論理回路を設計できる.D順序回路の設計法を理解し,状態遷移図・回路図による表現が出来る.E非同期・同期式カウンタの設計ができる. |
授業項目 | 時数 | 達成目標(習得すべき内容) |
1.ガイダンス | 評価方法および授業内容,カリキュラムにおける本科目の位置づけの説明 | |
2.デジタル信号の取り扱い | 整数・小数を2進数・10進数・16進数に変換する表現方法を理解し,加減算ができる.整数・小数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を理解している. | |
3.論理式と論理回路 | 基本論理演算として,集合論の基礎,真理値表,ブール代数の基本法則および論理記号が理解でき,基本的な論理演算を行うことができる.論理関数を論理式として表現でき回路図を描くことができる.さらに論理式を冗長項(don't care term)を含めたカルノー図により簡単化ができる. | |
4. 組み合わせ回路の設計 | 組合せ回路の構成として論理素子(AND,OR,NOR,NOT,NAND)の回路構成ができ,真理値表を用いた動作特性が説明できる.論理回路の基本構成として加算器,減算器,比較器,エンコーダ・デコーダ,マルチプレクサ・デマルチプレクサについて説明できる. | |
5. 記憶回路と順序回路の設計 | 記憶回路で用いられる各種フリップフロップ(SR-FF,D-FF,JK-FF)の回路と動作,および特性方程式による表現法を理解し,簡単な順序回路が設計できる. | |
6.応用回路の設計 | フリップフロップを用いた回路として,レジスタ,カウンタ(同期式,非同期式),リングカウンタ,ジョンソンカウンタを取上げ,その動作が理解し,設計できる. |
ルーブリック | |||
評価項目 | 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
デジタル表現と基数変換 | アナログ信号をデジタル信号に変換する際の丸め誤差を理解して説明でき,整数・小数を2進数,10進数,16進数で基数の変換を相互にできる.負数の表現、符号体系について理解し,説明できる. | 整数・小数を2進数,10進数,16進数で表現でき,基数の変換が相互にできる.2進数の負数の表現ができる. | 整数・小数を2進数,10進数,16進数で表現できない.基数の変換が相互にできない.2進数の負数や符号体系を理解していない. |
ブール代数の基本演算 | 各種論理ゲートについて,全て説明でき,ブール代数やド・モルガンの定理を用いて論理式を相互に変換して利用できる.正論理と負論理の利用方法と表現を理解し,説明できる. | 各種論理ゲートについて,説明でき,ブール代数やド・モルガンの定理を用いて論理式を相互に変換することができる.正論理と負論理の利用ができる. | 各種論理ゲートについて,説明ができない.ブール代数やド・モルガンの定理を用いて論理式を相互に変換できない.正論理と負論理の利用方法と表現を説明できない. |
組み合わせ回路の論理設計 | 組合せ回路の構成として論理素子の回路構成ができ,真理値表を用いた動作特性が説明できる.論理回路の基本構成として加算器,減算器,比較器,エンコーダ・デコーダ,マルチプレクサ・デマルチプレクサについて設計と説明ができる. | 組合せ回路の構成として論理素子の回路構成ができ,真理値表を用いた表現ができる.論理回路の基本構成として加算器,減算器,比較器,エンコーダ・デコーダ,マルチプレクサ・デマルチプレクサについて設計できる. | 組合せ回路の構成として論理素子の回路構成ができない.真理値表を用いた動作特性が説明できない.論理回路の基本構成として加算器,減算器,比較器,エンコーダ・デコーダ,マルチプレクサ・デマルチプレクサについて一部しか説明できない. |
順序回路の設計 | 記憶回路で用いられる各種フリップフロップの回路と動作,および特性方程式による表現法を十分理解し,様々な順序回路が設計できる.順序回路の応用として各種カウンタの設計ができ,その動作を理解して説明できる. | 記憶回路で用いられる各種フリップフロップの回路と動作,および特性方程式による表現法を理解し,順序回路が設計できる.順序回路の応用として各種カウンタの設計ができる. | 記憶回路で用いられる各種フリップフロップの回路と動作,および特性方程式による表現法を理解できない.基本的な順序回路の各種カウンタの設計ができない. |
評価方法及び 総合評価 | 定期試験および演習レポートで評価する.定期試験(80%)演習レポート(20%:提出遅れは減点)を総合して評価する.総合的な理解度を判定して,60%以上の得点率で合格とする. |
学習方法 | 講義による基礎技術や基本素子の働きなどを学習し,各章の終わりにロジックトレーナーによる実技演習を交えて,具体的な回路の動作やロジックICの取扱い方法を習得する. |
学生への メッセージ | 組み込みマイコンやコンピュータの内部構造を理解するための基礎となる科目である.デジタル技術者・情報処理技術者の資格試験科目の基礎でもあり,演習などの体験も重要となるので積極的に講義には参加して欲しい. |
学修単位への対応 | 該当なし |
本校教育目標との対応 | JABEE学習教育目標との対応 |