科目コード | CI501 | ||||
科目名 | 制御工学U(Control EngineeringU) | 単位数 | 2単位 | ||
対象学科 | 制御情報システム工学科 | 対象学年 | 5年 | 開講期間 | 通年 |
科目区分 | 専門基礎科目 | 必修・選択 | 必修 | 履修/学修 | 学修 |
授業形式 | 講義 | 規定授業時数(単位時間) | 60 |   | |
教員名(所属) | 柴里 弘毅(制御情報システム工学科) | 教員室 | 5号棟2階 | ||
使用教科書 | 森泰親「演習で学ぶ現代制御論 新装版」森北出版 | ||||
参考書 | 宮崎道雄「システム制御II」オーム社 増淵正美「システム制御」コロナ社 梶原宏之「線形システム制御入門」コロナ社 | ||||
科目の位置付けと 関連科目 | 本科目は、ディジタル技術検定(制御部門)と関連が深い。 関連する基礎科目は3年次開講の制御情報システム工学演習、4年次開講の制御工学T、計測工学など。 | ||||
科目の概要 | 本科目では4年次に学習する古典制御を発展させ、現代制御論の基本である状態方程式の導出、可制御性・可観測性判別、可制御正準形への変換、極配置・最適制御などの制御器設計法について講義する。また、コンピュータシミュレーション技術についても学び、シミュレーションを通して学習項目の定着を図る。 | ||||
授業方針 | ディジタル技術検定(制御部門)2級程度の内容を理解し、低次システムに対するフィードバック系設計ができることを目標とする。 1. 古典制御から現代制御に至るまでのフィードバック制御の発展の流れを理解し説明できる。 2. システムの状態方程式を導出することができる。 3. システムの可制御性・可観測性を調べることができる。 4. 低次システムに対して、極配置や最適制御などのフィードバック制御系を設計できる。 5. 制御系CADを用いて制御系設計やシミュレーションを行うことができる。 |
授業項目 | 時数 | 達成目標(習得すべき内容) |
1. ガイダンス | 本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。 | |
2. 状態方程式とシステムの応答 | 状態変数および状態方程式の役割について理解し、制御対象の状態方程式の導出、ブロック線図による表現、フィードバック制御との対応関係を説明できる。固有値の位置と安定性や応答特性を説明できる。 | |
3. 可制御性と可観測性 | システムの可制御性、可観測性の概念を理解し、システムの可制御性、可観測性の判定ができる。状態方程式で記述されたシステムを、対角正準形や可制御正準形に変換できる。 | |
4. 線形システムの実現 | 伝達関数と状態方程式の対応関係を理解し、伝達関数から状態方程式を導くことができる。 | |
5. 極配置法 | 状態方程式で表された線形システムの閉ループの極を希望する位置に配置できる。 | |
6. 最適レギュレータ | 行列の正定性やリカッチ代数方程式を理解し、低次のシステムに対して最適レギュレータを設計できる。 | |
7. シミュレーション | 現代制御論を用いた制御システムの実装について理解する。また、システムの制御系設計問題をシミュレーションすることができる。 |
ルーブリック | |||
評価項目 | 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
状態方程式、および、固有値の位置と応答の関係について評価する。 | 状態変数および状態方程式の役割について理解し、電気回路、機械振動系などの制御対象の特性を適切な数学モデルで表現できる。数学モデルより、対象の状態方程式を導出し、伝達関数やブロック線図との対応関係を説明できる。固有値の位置から安定性や応答特性を考察し、説明できる。 | 状態変数および状態方程式の役割について理解し、電気回路、機械振動系などの制御対象の特性を適切な数学モデルで表現できる。数学モデルより、対象の状態方程式を導出することができる。固有値の位置と安定性の関係を説明できる。 | 状態変数および状態方程式の役割について理解し、電気回路、機械振動系などの制御対象の特性を適切な数学モデルで表現することができない。固有値の位置と安定性の関係を説明できない。 |
状態方程式、出力方程式の座標変換、および、システムの可制御性、可観測性判定について評価する。 | システムの可制御性、可観測性の概念を理解し、システムの可制御性、可観測性の判定ができる。状態方程式で記述されたシステムを、対角正準形や可制御正準形に変換し、システムの特性を考察できる。 | システムの可制御性、可観測性の概念を理解し、システムの可制御性、可観測性の判定ができる。状態方程式で記述された単純なシステムを、対角正準形や可制御正準形に概ね変換することができる。 | システムの可制御性、可観測性の概念を理解していない。システムの可制御性、可観測性の判定が正しくできない。状態方程式で記述された単純なシステムを、対角正準形や可制御正準形に変換することができない。 |
複数の極配置手法について評価する。 | 直説法、可制御正準形、アッカーマン法による極配置法を理解し、対象に適した極配置手法を適用することができる。制御系CADを用いてプログラムを記述できる。 | 直説法による極配置法を理解し、数値例題に対して極配置することができる。制御系CADを用いてプログラムを概ね記述できる。 | 直説法による極配置法を理解できない。数値例題に対して極配置することができない。制御系CADを用いてプログラムを記述できない。 |
最適レギュレータ設計について評価する。 | 行列の正定性やリカッチ代数方程式を理解し、低次のシステムに対して最適レギュレータを設計できる。制御系CADを用いてプログラムを記述し、シミュレーション結果を考察できる。 | 行列の正定性やリカッチ代数方程式を理解し、低次のシステムに対して最適レギュレータを概ね設計できる。制御系CADを用いてプログラムを概ね記述できる。 | 行列の正定性やリカッチ代数方程式を理解していない。低次のシステムに対して最適レギュレータを設計できない。制御系CADを用いてプログラムを記述できない。 |
評価方法及び 総合評価 | 中間試験・期末試験などの筆記試験(60%)、レポート評価(25%)、講義ごとの自学学習プリント評価(15%)とする。状態方程式の導出、システムの可制御性・可観測性判別、極配置や最適制御を用いたフィードバック制御系設計、シミュレーション技術の理解の程度を総合的に評価し、60%以上の得点率で目標達成とみなす。レポートの提出期限は課題提示と同時に示し、期限に遅れて提出されたレポートの評価点は0点とする。 |
学習方法 | 自学学習の支援として、講義ごとに学習内容をまとめるプリントを配布し、原則として次回講義開始時に提出を求める。その取り組みを総合評価で述べた割合で総合成績に加味する。 |
学生への メッセージ | 本科目は、ディジタル技術検定(制御部門)と関連が深い。関連する基礎科目は3年次開講の制御情報システム工学演習、4年次開講の制御工学T,計測工学などであり、関連する項目を復習して受講することが望まれる。 |
学修単位への対応 | 本科目では,90分の授業に対して90分程度に相当する放課後・家庭での自学学習,およびレポート課題を課す。 |
本校教育目標との対応 | JABEE学習教育目標との対応 |