2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードAN213
科目名ファジィ工学特論(Advanced Topics of Fuzzy System) 単位数2単位
対象学科電子情報システム工学専攻対象学年2年開講期間後期
科目区分情報制御系必修・選択選択履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数15  
教員名(所属)
島川 学(人間情報システム工学科)教員室
3号棟2階
使用教科書
山下元、須田宏 著:「ファジィ数学入門」森北出版
参考書
塚本弥八郎 著:「ファジィ情報論」大学教育出版
科目の位置付けと
関連科目
  
科目の概要 我々人間が使っている自然言語には、あいまいな表現が多くある。例えば「今日はとても暖かい」という表現は、具体的な温度を示していないが、その人の主観的な感覚を伝えている。ファジィ理論は、人間の感情、判断、評価などに関する定性的な情報を定量的に取り扱うことを可能にしている。本授業では、ファジィ理論の基礎として、ファジィ集合論とファジィ論理を中心に学び、応用事例としてファジィ制御への応用について考える。
授業方針1.ファジィ集合の概念を理解し、メンバーシップ関数の定義ができる。
2.拡張原理を理解し、ファジィ数の演算に利用できる。
3.ファジィ関係を理解し、含意規則からファジィ関係を定義できる。
4.ファジィ推論を理解し、ファジィ制御やエキスパートシステムへの応用ができる。

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

ガイダンス
Guidance
1
・ファジィ理論の概要を理解し、ファジィ理論が取り扱う「あいまいさ」と確率論が取り扱う「あいまいさ」との違いを説明できる。
Students will be able to understand the fundamental outline of Fuzzy sets theory.
Students will be able to explain the difference between Fuzzy sets theory and Probability theory.
ファジィ集合
Fuzzy sets
2
・2値論理とファジィ論理の違いを理解し、説明できる。
・ファジィ集合とメンバーシップ関数を理解し、その演算を行うことができる。
・分解定理について理解し、説明できる。
Students will be able to explain the difference between 0-1 logic and Fuzzy logic.
Students will be able to do the definition of fuzzy sets and membership functions, and do its operations.
Students will be able to explain the Decomposition theorem.
ファジィ関係
Fuzzy relation
2
・ファジィ関係の定義を理解し、ファジィ関係の合成演算を行うことができる。
・ファジィ関係の類似関係を理解し、説明できる。
Students will be able to understand fuzzy relations, and operate of them.
Students will be able to explain the Similar relation in Fuzzy relation.
ファジィ数と拡張原理
Fuzzy number and Extension principle
2
・拡張原理を理解し、ファジィ数の演算を行うことができる。
Students will be able to understand the Extension principle, and apply it fuzzy numbers operation.
ファジィ推論
Fuzzy reasoning
3
・円筒拡張と射影に関する演算を理解し、ファジィ関係によるファジィ推論を行うことができる。
・マムダニのファジィ推論法、簡略化ファジィ推論法、その他のファジィ推論法を理解し、活用できる。
Students will be able to understand the operations about Cylindrical extension and Projection.
Students will be able to use Mamdani's fuzzy reasoning method.
Students will be able to use Simplified fuzzy reasoning method.
ファジィ制御
Fuzzy control
2
・制御知識をファジィルールとして表現できる。
・基本的なファジィ制御器を設計できる。
Students will be able to express control knowledge by using fuzzy rules.
Students will be able to design a simple fuzzy logic controller.
応用課題
Applied study
3
・2次遅れ系の制御に応用できる。
・制御シミュレーションを行うことができる。
Students will be able to apply fuzzy control to a second-oder lag system.
Students will be simulate the control system.

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

ファジィ理論の概念ファジィ理論が取扱う「あいまいさ」と確率論が取扱う「あいまいさ」の違いを説明できる.ファジィ理論が取扱う「あいまいさ」について説明できる.ファジィ理論が取扱う「あいまいさ」について説明できない.
ファジィ理論の基礎ファジィ論理,ファジィ集合,ファジィ関係などのファジィ理論の基礎を理解し,演算を行うことができる.なおかつ,従来の論理,集合,関係との違いを説明できる.ファジィ論理,ファジィ集合,ファジィ関係などのファジィ理論の基礎を理解し,演算を行うことができる.ファジィ論理,ファジィ集合,ファジィ関係などのファジィ理論の基礎を理解できず,演算ができない.
ファジィ推論マムダニのファジィ推論法と簡略化ファジィ推論法を理解し,推論を行うことができる.
複数の含意規則をファジィ推論に応用できる.
マムダニのファジィ推論法と簡略化ファジィ推論法を理解し,推論を行うことができる.ファジィ推論ができない.
ファジィ制御制御知識を制御規則として記述し,簡単なファジィ制御器を設計できる.
シミュレーションにより制御性能を解析することができる.
制御知識を制御規則として記述し,簡単なファジィ制御器を設計できる.制御知識を制御規則として記述できない.
評価方法及び
総合評価
【評価方法】定期試験等の筆記試験と演習課題に対する提出レポートで評価する。【総合評価】定期試験等の筆記試験(60%)、演習課題に対する提出レポート(40%)を総合して評価し、60%以上の得点率で目標を達成したとみなす。
学習方法 本科目で学習するファジィ理論は,集合論や論理学を基礎としているので,数学などそれに関連する科目を履修しておく必要がある。また,PID制御に関する基礎を理解している方が望ましい。
学生への
メッセージ
 
学修単位への対応1単位あたり30時間程度の自学自習が求められます。
本校教育目標との対応
(d)
JABEE学習教育目標との対応
D-1(○)