2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードAN211
科目名シミュレーション工学(Simulation Technology) 単位数2単位
対象学科電子情報システム工学専攻対象学年2年開講期間前期
科目区分情報制御系必修・選択選択履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数15  
教員名(所属)
藤本 信一郎(制御情報システム工学科)教員室
5号棟4階
使用教科書
W.H.Press他著「Numerical Recipes in C」(2nd Edition)
参考書
W.H.Press他著「ニューメリカルレシピ・イン・シー日本語版―C言語による数値計算のレシピ」技術評論社(原著第1版の日本語訳)戸川隼人他著「よくわかる数値計算―アルゴリズムと誤差解析の実際」日刊工業新聞社,高橋大輔著「数値計算」岩波書店
科目の位置付けと
関連科目
 
科目の概要近年計算機性能の向上に伴い,コンピュータ・シミュレーションの重要性が増してきている.本講義では,シミュレーションに必要な様々な数値計算方法を学習する.数値計算を簡単化する様々なツールが開発されているが本講義ではその基礎となるC言語を用いた数値計算プログラミングを行う.数値計算ツール,ライブラリも紹介し,それらの活用法を概説する.なお教科書は平易な英語で書かれている.該当範囲のPDFファイルを事前に印刷し予習しておくこと.
授業方針1.数値計算法のアルゴリズムを理解し,説明することができる.2.数値計算における誤差を理解し,説明することができる.3.様々なアルゴリズムを活用し,具体的な課題を数値計算できる.

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

ガイダンス
Guidance
1
本講義の目的,概要,評価方法を理解する.
C言語による効率的なプログラミング
Effective Programing in C
1
コンパイラオプションによるcodeの最適化,gdbによるデバッグの基礎,ライブラリを理解し,説明することができる.
数の取扱い,誤差論
Floating Points and Errors
1
浮動小数点数の表現,丸め誤差、桁落ち、情報落ちを理解し,説明することができる.
2,3,4次方程式の数値解法
Quadratic, Cubic, and Quartic Equations
1
2,3,4次方程式の解を数値的に求める手法を理解し,説明することができる.
非線型代数方程式の数値解法
Root Finding of Nonlinear Sets of Equations
3
Newton-Raphson法,二分法などを理解し,説明することができる.
補間法
Interpolation
1
Lagrange補間,スプライン補間などの補間アルゴリズムを理解し,説明することができる.
数値積分法
Numerical Integration of Functions
3
台形公式,Simpsonの公式など数値積分アルゴリズムを理解し,説明することができる.
モンテカルロ法
Monte Carlo Integration
1
乱数を用いたモンテカルロ積分法を理解し,説明することができる.
常微分方程式の数値解法
Numerical Integration of Ordinary
Differential Equations
3
微分と差分、常微分方程式の数値解法であるEuler法、Ruge-Kutta法を理解し,説明することができる.

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

効率的なプログラム開発を理解、説明できる。最適化手法やデバッガの使い方を理解し、効率的なプログラム開発を実践できる。最適化手法やデバッガの使い方を説明できる。最適化手法やデバッガの使い方を説明できない。
代数方程式の数値解法を理解し、説明できる。代数方程式の数値解法を収束性の観点から説明でき、プログラム言語を用いて、数値解法を実装できる。代数方程式の数値解法を収束性の観点から説明できる。代数方程式の数値解法を収束性の観点から説明できない。
数値積分法を理解し、説明できる。数値積分アルゴリズムを数値誤差、演算速度の観点から説明でき、プログラム言語を用いて、数値積分アルゴリズムを実装できる。数値積分アルゴリズムを数値誤差、演算速度の観点から説明できる。数値積分アルゴリズムを数値誤差、演算速度の観点から説明できない。
数値微分法を理解し、説明できる。数値微分アルゴリズムを数値誤差、演算速度の観点から説明でき、プログラム言語を用いて、数値微分アルゴリズムを実装できる。数値微分アルゴリズムを数値誤差、演算速度の観点から説明できる。数値微分アルゴリズムを数値誤差、演算速度の観点から説明できない。
評価方法及び
総合評価
【評価方法】試験、小テスト、レポートで評価し、60%以上の得点率で目標達成とみなす。レポートは学習したアルゴリズムを利用した数値計算を行い、その結果をまとめたものとする。また講義内容の一部は履修者による輪講形式で行い、発表内容および内容をまとめたレポートで評価する。【総合評価】定期試験等筆記試験(60%)、レポート評価(40%)を総合し、上記事項に対する理解度を評価する。レポートの提出期限は課題提示と同時に示し、期限に遅れて提出されたレポートの評価点は0点とする。
学習方法教科書はhttp://www.fizyka.umk.pl/nrbook/bookcpdf.htmlよりPDFファイルにて取得できる.なお本講義ではC言語の文法などについては解説しない.各自本科で行った内容を復習しておくこと.
学生への
メッセージ
英語の教科書を利用している。
今年度に限り4,5月2か月間に集中して15回の講義を実施する。
学修単位への対応30時間相当のレポートもしくは自宅演習を課す。
本校教育目標との対応
 (1)
JABEE学習教育目標との対応
D-1(◎)