科目コード | AN123 | ||||
科目名 | 電磁波計測工学(Electromagnetic Instrumentation Engineering) | 単位数 | 2単位 | ||
対象学科 | 電子情報システム工学専攻 | 対象学年 | 1年 | 開講期間 | 後期 |
科目区分 | 電子通信系 | 必修・選択 | 選択 | 履修/学修 | 学修 |
授業形式 | 講義 | 規定授業時数 | 15 |   | |
教員名(所属) | 小田川 裕之(情報通信エレクトロニクス工学科) | 教員室 | 1号棟3階 | ||
使用教科書 | 岩崎俊 著「電磁波計測−ネットワークアナライザとアンテナ―」コロナ社配布プリント(教科書の式の導出、補足事項などをプリントで配布する) | ||||
参考書 | Zhipeng Wu, "Software VNA and Microwave Network Design and Characterisation", Wiley. | ||||
科目の位置付けと 関連科目 | 本講義は,「電気磁気学」,「電気回路学」を基礎とし,「伝送回路学」,「電波システム工学」と関連がある.また、専攻科2年時に開講される「電磁環境工学」に必要な基礎を含む. | ||||
科目の概要 | はじめに高周波回路・デバイス・機器を取り扱うために必要な基本事項について説明し,その後,空間に放射された電磁波の電磁界測定について系統的に解説する.具体的には,電磁波計測に必要である電磁界プローブとしてのアンテナ,及び,高周波測定に不可欠であるSパラメータとネットワークアナライザについて,その理解のために必要な基礎的事項を含めて説明し,電界・磁界の測定技術について解説する. | ||||
授業方針 | 1. Maxwellの方程式から波動方程式を導き,電磁波の電磁気学的な取り扱いを習得する.2. 平行2線線路を伝搬する電磁波の取り扱いを習得する.また,伝送線路を分布定数回路として取り扱い,伝送線路におけるインピーダンスと反射係数,整合,定在波比等につい理解する.3. 高周波測定に必須の,Sパラメータ及びスミスチャートの取り扱いを習得する.また,ネットワークアナライザとキャリブレーションについて理解する.4. ダイポールアンテナと電界の測定, |
授業項目 | 時数 | 達成目標(習得すべき内容) |
1. ガイダンス・復習 | Maxwellの方程式について復習する. | |
2. 電磁波 | Maxwellの方程式から波動方程式を導き、平面波解について説明できる.波動インピーダンス,偏波について説明できる.球面波解,空間インピーダンスについて説明できる.電磁界の境界条件について説明できる. | |
3. 導波電磁波 | 平行2線線路を伝搬する電磁波,およびその伝搬定数について説明できる.分布定数回路として伝送線路を取り扱い,特性インピーダンスについて説明できる.同軸線路,マイクロストリップ線路,導波管を伝搬する電磁波について説明できる. | |
4. 伝送線路と回路パラメータ | 伝送線路におけるインピーダンスと反射係数,整合,定在波比について説明できる.スミスチャートの見方を説明できる.二端子対回路の回路パラメータについて説明できる.Sパラメータについて説明できる。 | |
5. 回路パラメータの測定 | ベクトル電圧計,LCRメータを用いたインピーダンスの測定について理解する.Sパラメータの測定の基本構成と測定原理について説明できる.ネットワークアナライザとキャリブレーションについて説明できる. | |
6.ソフトウェアベクトルネットワークアナライザの実習 | マイクロストリップ線路を用いてフィルタを構成できることを理解し設計する.その特性をソフトウェアベクトルネットワークアナライザを用いて求める.また,等価回路から求めた特性と比較する. | |
電磁界の測定 | ダイポールアンテナとその等価回路について理解する.複素アンテナ係数とそれを用いた,平面波電界強度の測定法について理解する.ループアンテナと磁界の測定法を理解する. |
ルーブリック | |||
評価項目 | 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価方法及び 総合評価 | 【評価方法】筆記試験(定期試験)及び課題のレポート(小テストを含む)で評価する。【総合評価】定期試験(60%)と該当期間中に実施したレポート(小テストを含む)の総合点(20%),実習(20%)で評価し,60%以上で目標達成とみなす.なお,期日が指定されたレポートの提出が遅れた場合(または小テストを受験しなかった場合)は,原則としてそのレポート(小テスト)の点数は0点とする. |
学習方法 | ○ 本講義の内容,マイクロ波帯の回路・デバイス・機器を取り扱うために必須の基礎的な内容を含むため,それらに従事する予定のものは受講することを薦める.○ 本講義ではMaxwellの方程式までの電磁気学に関する基礎的知識を有することが望ましいが,これらの基礎的知識が不十分な場合は,講義の初回で一通り説明するので,各自十分時間をとって復習してほしい. |
学生への メッセージ | ○ 質問は講義中を含めて随時受付けるので,疑問点を蓄積しないこと.○ 本講義は,「電気磁気学」,「電気回路学」を基礎とし,「伝送回路学」,「電波システム工学」と関連がある.また、専攻科2年時に開講される「電磁環境工学」に必要な基礎を含む. |
学修単位への対応 | 1単位あたり30時間程度の自学自習として,ソフトウェアネットワークアナライザの課題を課す。 |
本校教育目標との対応 | JABEE学習教育目標との対応 |