2015年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードAN104
科目名感性情報工学(Kansei Information Technologies) 単位数2単位
対象学科電子情報システム工学専攻対象学年1年開講期間後期
科目区分総合基盤必修・選択必修履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数15  
教員名(所属)
合志 和洋(人間情報システム工学科)教員室
3号棟3階
使用教科書
感性情報工学(自作)
参考書
大頭仁,行田尚義「視覚と画像」森北出版
難波精一郎,桑野園子「音の評価のための心理学的測定法」コロナ社
科目の位置付けと
関連科目
人間生体工学やヒューマンインタフェース技術と関連して,人の感覚や心理状態などと密接な関連がある科目である.
科目の概要感性情報工学は人の感性を工学に応用するための技術を述べるものである.まず,感性とは何か,どのような分野があるか,将来技術と感性の関係などの背景や基本姿勢を述べる.次に,感覚,心理などによって生じる感性について生体反応の特性を説明する.次に感性の評価手法として,脳機能,心理的評価,生体機能評価について述べ,感性情報工学の技術への利用をできるようにする.
授業方針(1) 感性の工学への適用のための考え方,とらえ方を理解し説明できる.
(2) 感性という感覚的な量を定量化するための統計的手法,生体機能の手法を理解し説明できる.
(3) 実例などにより,感性技術の利用方法,重要性および将来動向を理解し説明できる.

授業項目

時数

達成目標(習得すべき内容)

1. ガイダンス
Guidance
0.5
講義概要,目標,成績評価方法など授業実施内容と方法の説明を受ける.
2. 感性工学の概要
Outline of Kansei engineering
0.5
感性工学とは何か,その経緯,周辺技術の説明を受け感性技術のイメージを理解し説明できる.
3. 情報技術,工学技術と感性技術への展開
Evolution of Kansei technology
2
感性技術分野と内容を具体的に説明し,感性の適用領域を理解できる.また,情報技術がたどった経緯とヒューマンウエア技術への展開を理解でき,位置づけと将来動向を理解し説明できる.
4. 感性と心理,創造,アートの関係
Relationship between Kansei, psychology, and art
1
感性工学に必要な心理学についてどのような内容を勉強すべきか理解し説明できる.また,感性から得られる創造的技術,メディアアートを紹介され,感性の目指すスタンスを理解し説明できる.
5. 視覚と感性技術
Visual sensation and Kansei technology
3
視覚による知覚現象と色感性とその研究状況の説明を受け,視覚からの各種の感性を理解し説明できる.また,立体視について,その機構,立体映像の特徴と機構などを理解し説明できる.
6. 聴覚と感性技術
Auditory sensation and Kansei technology
1
聴覚による知覚現象を述べられ,知覚機構,聴覚心理学を理解し説明できる.また,騒音,測定手法とその研究状況の説明を受け,聴覚からの各種の感性を理解し説明できる.
7. 触覚等と感性技術
Tactile sensation and Kansei technology
1
触覚による知覚現象を述べられ,知覚機構,触覚心理学を理解し説明できる.また,その研究状況の説明を受け,触覚からの各種の感性を理解し説明できる.
8. 心理学と感性技術
Psychology and Kansei technology
1
心理学の体系の説明を受け,心理学と感性の関係,実測例,など体系化のための考え方を理解し説明できる.
9. 感性と統計的評価技術
Statistic evaluation method of Kansei
1
感性の統計的評価方法とその実施例,実施方法などについて理解し説明できる.
10. 感性を利用した技術
Technology using human Kansei
1
感性に訴える技術の実施例,実施方法などについて理解し説明できる.
11. 感性情報工学の応用
Application of Kansei information engineering
3
感性情報工学の応用についてグループワークで議論し,提案する企画について説明することができる.

ルーブリック

評価項目

理想的な到達レベルの目安

標準的な到達レベルの目安

未到達レベルの目安

感性工学の考え方感性の工学への適用のための考え方,とらえ方について,基礎的な用語を用いてわかりやすく論理的に説明することができる.感性の工学への適用のための考え方,とらえ方について,概略を端的に説明できる.感性の工学への適用のための考え方,とらえ方について,概略を説明できない.
感性の定量化手法感性という感覚的な量を定量化するための統計的手法,生体機能の手法について,基礎的な用語を用いてわかりやすく論理的に説明することができる.感性という感覚的な量を定量化するための統計的手法,生体機能の手法について,概略を端的に説明できる.感性という感覚的な量を定量化するための統計的手法,生体機能の手法について,概略を説明できない.
感性技術の利用方法,重要性および将来動向感性技術の利用方法,重要性および将来動向について,基礎的な用語を用いてわかりやすく論理的に説明することができる.感性技術の利用方法,重要性および将来動向について,概略を端的に説明できる.感性技術の利用方法,重要性および将来動向について,概略を説明できない.
評価方法及び
総合評価
【評価方法】レポートとグループワークで評価する.
【総合評価】本講義を通じて1回程度のレポート課題を実施し,100点で評価する.なお,レポートを提出しない者は,当該レポートの点数を0点とする.グループワークは,取り組み60点,発表40点の100点で評価する.そして,レポート点40%とグループワーク点60%で総合評価を行う.総合平均点が60%以上の得点率で目標達成とみなす.
学習方法本講義においては講義を実施し,各レポートは自学学習時間において調査,着想,整理等を行ない作成する.
学生への
メッセージ
 
学修単位への対応放課後・家庭で60時間の自学学習が課せられます.
本校教育目標との対応
 (4)
JABEE学習教育目標との対応
D-2(◎)