科目コード | TE303 | ||||
科目名 | 電子回路学T(Electronic Circuits I) | 単位数 | 2単位 | ||
対象学科 | 情報通信エレクトロニクス工学科 | 対象学年 | 3年 | 開講期間 | 通年 |
科目区分 | 専門基礎科目 | 必修・選択 | 必修 | 履修/学修 | 履修 |
授業形式 | 講義 | 規定授業時数 | 60 | 実時間数 | 50 |
教員名(所属) | 大田一郎(情報通信エレクトロニクス工学科) | 教員室 | 1号棟3階 | ||
使用教科書 | 押山保常,相川孝作,他著「改訂電子回路」コロナ社 | ||||
参考書 | 伊藤規之著「テキストブック 電子回路」 日本理工出版会家村道雄他著「入門電子回路アナログ編」オーム社 | ||||
科目の位置付けと関連科目 | 本科目は,第1級陸上無線技術士の国家試験との関連性が深い.関連する基礎科目は電気回路学,電子工学,電子計測である.また,次年度における電子回路Uの基礎科目と位置付けられる. | ||||
科目の概要 | 電子回路学IとUは3年次〜4年次を通して電子回路の基本的動作と解析に関することを修得する.3年次では,電子回路の基礎となるトランジスタとFETの動作を中心に理解し,これらを用いた増幅器を等価回路に直し,動作量を解析的に求める技法を修得する.また,演算増幅器を用いた回路の動作を理解し解析する.回路をブラックボックスで考えるのではなく,原理からどのようにして動作しているのかに重点を置く. | ||||
授業方針 | この科目で次の事柄ができるように授業を行っていく. @ダイオード,トランジスタ,FETの動作をキャリア(電子と正孔)の動きで説明できる. AトランジスタおよびFETの各接地回路の直流回路を理解し,電源や電流の向きを判断できる. BトランジスタおよびFETを用いた増幅回路を等価回路に直し,動作量を計算できる. C演算増幅器を用いた回路をナレータ,ノレータモデルで解析できる. |
授業項目 | 時間 | 達成目標(習得すべき内容) |
ガイダンス | 本授業の概要,学習の進め方,本科目の評価法などの全体的ガイダンスを行う. | |
トランジスタの動作 | 能動素子とシンボル,p形半導体とn形半導体,キャリアと空乏層について説明できる.ダイオードとトランジスタの動作を理解し,トランジスタの増幅度を図式解法によって求めることができる. | |
トランジスタのバイアス回路 | トランジスタの各バイアス回路について理解し,安定係数を導出できる. | |
トランジスタの小信号等価回路 | トランジスタをT形等価回路またはhパラメータ等価回路に直し,各接地回路の増幅器の動作量を計算できる.高周波におけるトランジスタの特性を等価回路で表し,同様に動作量を計算できる. | |
電界効果トランジスタ(FET)の種類とその動作原理 | J-FETやMOSFETについて,構造,動作,静特性について理解し,その増幅動作を説明できる. | |
FETの3定数と小信号等価回路および集積回路 | FETのバイアス回路,小信号等価回路を説明できる.集積回路の構造,製法を説明できる.有能利得,デシベル,整合の定義を理解し計算できる. | |
FETとトランジスタ増幅器の動作量と増幅器のひずみ | FETの等価回路を用いて各接地回路の増幅器の動作量を計算できる.増幅器のひずみの定義を理解し,計算できる. | |
2段低周波増幅器および直流増幅器における増幅度と周波数特性 | トランジスタ(またはFET)の2段増幅器の等価回路を求め,各周波数帯域の増幅度を求め,周波数特性を導出できる.CMRR(同相除去比),同相利得,差動利得,オフセット電圧,スルーレートの定義を理解し,差動増幅器について等価回路を描き,増幅度を求められる. | |
帰還増幅器と演算増幅器 | 帰還増幅器の利得,利点等について理解し,回路図から何帰還増幅器かを判断し,増幅度を計算できる.理想演算増幅器の動作ついて理解し,ナレータ,ノレータを用いた等価回路を用いて,加減算器,積分器,微分器の出力電圧を解析的に導出できる. |
評価方法及び総合評価 | 定期試験評価(70%),小テスト評価(20%)演習レポート評価(10%)の比率で総合して評価し,60%以上の得点率で目標達成とみなす.なお,演習レポートの提出期限は課題提示と同時に示し,1週間以内の提出遅れは正規の評価の半分とする.未提出や1週間以上過ぎて提出されたレポートの評価点は0点とする. |
学習方法 | 回路の動作や式は暗記しても使えないとダメである.なぜ,そうなるかを理解して学習すると良く分かる.具体的には,問題の回路を見て動作を説明して,キルヒホッフの式を導出する練習を繰り返し行う. |
学生へのメッセージ | 本科目は,技術士の国家試験との関連性が深く,能動素子の基本を学ぶ重要な科目である.この科目の講義内容について十分に復習して受講することが望まれる.質問は授業中でも教員室でも随時受け付ける. |
学修単位への対応 | 学修単位ではないが,年4回のレポート作成と年8回の小テストおよび年4回の定期試験の勉強で自宅学習を確保している. |
本校教育目標との対応 | JABEE学習教育目標との対応 |