2014年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードTE301
科目名電気磁気学T(ElectromagnetismT) 単位数2単位
対象学科情報通信エレクトロニクス工学科対象学年3年開講期間通年
科目区分専門基礎科目必修・選択必修履修/学修履修
授業形式講義規定授業時数60時間実時間数50時間
教員名(所属)
芳野裕樹(情報通信エレクトロニクス工学科)教員室
1号棟3階
使用教科書
山口昌一郎著「基礎電磁気学 改訂版」電気学会
参考書
小塚洋司著「電気磁気学―その物理像と詳論」森北出版
科目の位置付けと関連科目電磁気学は電気と磁気に関する物理現象を体系づけて述べたもので,電気や磁気を利用する技術(電気工学、電子工学、通信工学等)を学習する上での基礎科目として位置づけられる.
関連科目:基礎電気学I,基礎電気学II,電気回路学I,電気回路学II,電磁気学II,応用物理,通信システム工学,電子通信工学実験I,電子工学実験II
科目の概要電磁気学のうち,静電界に関する基本的な現象の考え方,取り扱いについて述べる.クーロンの法則に始まり,電界,電位を定義し,各種条件下でこれらを求める.電気の基本的な素子である静電容量についてその定義を述べ,具体的な静電容量を求める.真空中だけでなく,誘電体内で電界がどのように変化するのかを述べる.電気の基本となる量である,電流について定義を述べ,オームの法則など基本的な法則を説明する.
授業方針各種の電気,磁気現象が,導体や誘電体にどのように作用するのか,直感的に理解できるようになること.また,それらの物理現象を述べた数式の把握ができるようになること.基本的な問題について,その解を得ることができるようになること.

授業項目

時間

達成目標(習得すべき内容)

電荷と電界
12
電荷,電界,電気力線,電束の概念を説明できる.クーロンの法則を説明でき,点電荷に働く力等を計算できる.ガウスの法則を説明でき、これを用いて電界を計算できる.電荷が与えられた時,電気力線を描き,電界の向きを表せる.電界の強さを求めることができる.電束密度と電気力線の違いを説明できる.ベクトルの発散とは何かを知り,ガウスの法則を微分系で表せる.
電位
12
電位の定義を言える.電位から電界を求められる.電位の傾きをベクトルで表せる.等電位面と電気力線の性質をいえる.静電界の保存性とは何か説明できる.ベクトルの回転とストークスの定理について知る.
種々な帯電体による電界
12
基本的な物体について,帯電したときに周囲に生じる電気力線の様子を描け,電界の強さを求めることができる.ガウスの法則を適用して問題を解ける.
静電容量
14
静電容量および静電エネルギーの概念を説明できる.基本的な構造を持つ平行平板コンデンサ等の静電容量を求めることができる.多数の導体間の静電容量を求めることができる.電気影像法について知る.コンデンサの並列,直列接続について説明でき,合成静電容量,エネルギーを求めることができる.
誘電体
10
導体の性質を説明でき,導体表面の電荷密度や電界などを計算できる.誘電体と分極について説明できること.誘電体における電束密度と電界の関係をいえる.2種類の誘電体境界での電気力線と電界の性質を説明できる.誘電体中のエネルギについて計算できる.誘電体による静電容量の変化を計算できる.
評価方法及び総合評価宿題レポート(演習問題)を含む平常点を20%,定期試験,中間試験,小テストを80%で評価する.宿題は,期限までに提出し,課題すべてに解答したものを評価対象とする.宿題の提出期限は,その都度指定する.期限を過ぎた宿題は0点として評価する.平常と試験を総合して60%以上で合格とする.なお,学年末試験を除く定期試験,中間試験で基準に達しなかった場合,再度試験を実施し,基準に達した場合,その試験を60点として評価する.
学習方法 授業を聞いて学習内容を理解すること。そして、できるだけ多くの演習問題を解くこと。この二つの学習習慣を身に付けてほしい。
学生へのメッセージ 電気磁気学は,電気・電子工学の基礎となる科目である.数式の取り扱いも大事であるが,物理現象を式で表したものなので,おおもととなる物理現象そのものをよく理解するように努めて欲しい. 新しい概念や取り数式の扱いが多いため,本気で学習しないと理解できません.4年生の電気磁気学で習う磁界と時間変化を有する電磁界の基礎となる部分なので,しっかり勉強し理解すること.
学修単位への対応 
本校教育目標との対応
(3)
JABEE学習教育目標との対応
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