2014年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードHI502
科目名情報数学(Information Mathematics) 単位数2単位
対象学科人間情報システム工学科対象学年5年開講期間通年
科目区分専門基礎科目必修・選択必修履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数60時間実時間数50時間
教員名(所属)
山本直樹(人間情報システム工学科)教員室
3号棟3階
使用教科書
寺田、中村他 「情報数学の基礎」 サイエンス社
田中、脇本 「多変量統計解析法」 現代数学社
その他、プリント配布
参考書
伊藤正史 著:「暗号理論」ナツメ社
守屋悦朗 著:「コンピュータサイエンスのための離散数学」サイエンス社
科目の位置付けと関連科目計算機科学(Computer Science)はコンピュータをモデル化して理論的に取り扱う学問であり、コンピュータの実応用を目指す情報工学の広い分野に科学的基礎を与えている。そして、この計算機科学の学問分野において数学的な領域を担っているのが「情報数学」である。
科目の概要この授業では、前半はネットワークに関する理論の基礎、後半はデータに関する理論の基礎について実施していく。暗号やデータベース、ネットワーク、データマイニングなどの実際の情報技術と関連付けながら、整数論、集合論、グラフ理論、待ち行列理論、多変量解析法などの基礎を学習する。
授業方針〔全体目標〕情報数学の基礎を学習し、情報応用分野との関連性を理解し説明できる。
1. 整数論の基礎を学習し、暗号との関連を理解し説明できる。
2. グラフ理論の基礎を学習し、ネットワークとの関連を理解し説明できる。
3. 待ち行列理論の基礎を学習し、情報ネットワークとの関連を理解し説明できる。
4. 集合論の基礎を学習し、データベースとの関連を理解し説明できる。
5. 多変量解析法の基礎を学習し、データマイニングとの関連を理解し説明できる。

授業項目

時間

達成目標(習得すべき内容)

整数論と暗号
14
不定方程式、合同式を解くことができる
フェルマーの小定理を説明できる
行列表現された合同式を解くことができる
mod Nの1次変換を求めることができる
秘密鍵方式と公開鍵方式の暗号を説明できる
RSA暗号方式を理解し、符号と復号ができる
グラフ理論とネットワーク
8
グラフの種類と性質を理解し説明できる
グラフを隣接行列で表現できる
グラフの可到達性を調べることができる
木構造のグラフを理解し説明できる
最小全域木を求めることができる
最短経路問題とダイクストラ法を活用できる
待ち行列理論と情報ネットワーク
15
待ち行列理論の基礎を理解し、基本的なモデルについて計算できる
・トラフィック量及び呼量の計算の基礎を理解し、計算できる
・待ち行列モデルを説明できる
・確率過程の基礎を理解し、計算に利用できる
・即時式モデルの性能評価法(呼損率:アーランB式)を理解し、評価できる
・待時式モデルの性能評価法(平均待ち時間、待ち合わせ率:アーランC式)を理解し、評価できる
集合論とデータベース
8
集合の基本性質を理解し、集合演算ができる
集合の直積と関係を理解し、説明できる
関係データベースの仕組みを説明できる
関係データベースの基本演算を活用できる
集合と関係データベースの関連を説明できる
リレーションスキーマの表現ができる
多変量解析の理論とデータマイニング
15
回帰分析法、主成分分析法などの解析法について理解し、比較的小規模なデータ分析に利用することができる
・線形回帰を理解し利用できる
・重線形回帰を理解し利用できる
・2変量の主成分分析を理解し利用できる
・p変量の主成分分析を理解し利用できる
評価方法及び総合評価定期試験(70%)、レポート及び小テスト(30%)を総合して評価し、60%以上の得点で合格とする。欠席等により、レポート、小テストを提出しないものは0点となるので注意すること。
学習方法授業項目1〜5においては、内容の理解促進のために演習課題を課すが、放課後や家庭などでよく自学自習に取り組んで欲しい。授業項目5では、課題に取り組むために何らかの計算ソフトを利用する必要がある。ExcelやC言語でも良いが、例えば、Rと呼ばれる計算ソフトはフリーソフトであり、自宅のPCにインストールすれば、自宅で課題に取り組むことができるのでおすすめである。Rの使い方に関してはインターネット上に多くアップされているので各自参考にすることができる。
学生へのメッセージ 
学修単位への対応本科目は、40時間相当のレポートを課す。
本校教育目標との対応
JABEE学習教育目標との対応
D-1(◎)