2014年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードAN203
科目名数値計算論(Numerical Calculation) 単位数2単位
対象学科電子情報システム工学専攻対象学年2年開講期間前期
科目区分専門基礎必修・選択選択履修/学修学修
授業形式講義規定授業時数30実時間数25
教員名(所属)
村上 純(人間情報システム工学科)教員室
3号棟2階
使用教科書
G.ストロング(山口昌哉監訳、井上昭訳)『線形代数とその応用』産業図書
参考書
森正武、名取亮、鳥居達生『数値計算』岩波書店
科目の位置付けと関連科目本科の数学(線形代数)や数値計算論に続く科目で、数理的な応用へとつながるものと位置付けられる。 
科目の概要工学的な分野では,数式的に解くことのできない解を求める必要があることが多い.このような場合には,計算機を利用して数値的に解を計算する手法がよく用いられる.この手法のことを数値計算法と呼び、多くのアルゴリズムが考えられている。この科目では,それらの基礎となる線形代数から始めて、連立1次方程式の求解法、行列の固有値の計算法などについて講義する。実際にそれらのプログラムを作成して計算を行う課題を与え、演習を行わせる。
授業方針1.LU分解などの行列の分解法を理解し、プログラム作成や計算を行うことができる。2.線形代数の基本概念が理解でき、説明することができる。3.固有値の計算法を理解し、プログラム作成や計算を行うことができる。

授業項目

時間

達成目標(習得すべき内容)

1.Gaussの消去法1、LU分解プログラム作成
2
行列の表記法、LU分解が理解でき、分解プログラムが作成できる。
2.Gaussの消去法2、行の交換を伴うLU分解プログラム作成
2
行の交換、逆行列の計算が理解でき、行の交換を伴うLU分解プログラムが作成できる。
3.連立1次方程式の理論1、行列のランク計算プログラム作成
2
ベクトル空間と部分空間、未知数nの方程式mの解が理解でき、ランク計算プログラムが作成できる。
4.連立1次方程式の理論2
2
線形独立、基底、次元、基本部分空間、ベクトルおよび部分空間の直交性が理解でき、演習問題が解ける。
5.正射影と最小2乗法1
2
部分空間の上への射影と最小2乗近似が理解でき、演習問題が解ける。
6.正射影と最小2乗法2
2
直交基底、直交行列、Gram-Schmidtの直交化が理解でき、練習問題が解ける。
7.QR分解プログラム作成
2
行列のQR分解プログラムが作成できる。
8.疑似逆行列と特異値分解
2
疑似逆行列と特異値分解が理解でき、練習問題が解ける。
9.固有値と固有ベクトル1
2
固有値と固有ベクトルの概念、行列の対角化が理解でき、練習問題が解ける。
10.行列のノルムと条件数、固有値の計算1
2
行列のノルムと条件数、QRアルゴリズムが理解でき、練習問題が解ける。
11.QRアルゴリズムによる固有値計算プログラム作成
2
QRアルゴリズムによる固有値計算プログラムが作成できる。
12.固有値の計算2
2
べき乗法、逆べき乗法が理解でき、べき乗法を用いた固有値計算プログラムが作成できる。
13.逆べき乗法による固有ベクトル計算
2
逆べき乗法による固有ベクトル計算法が理解でき、プログラムが作成できる。
14.固有値と固有ベクトル2
2
スペクトル定理、主成分分析が理解でき、練習問題が解ける。
15.主成分分析の応用
2
主成分分析の応用ができる。
評価方法及び総合評価【評価方法】演習レポートで評価する。【総合評価】講義中に出した課題および演習のレポートをもとに評価を行う。6割以上の得点で合格とする。出題時に設定されたレポートの期限は厳守するものとし、未提出の場合の評価は0点とする。自学学習は講義の復習および演習レポート作成の時間に充てるものとする。
学習方法 ベクトル、行列などの数学の基礎知識が必要で、これらを十分に復習して受講することが望ましい。自学学習は講義の復習および演習レポート作成の時間に充てるものとする。本科の数学(線形代数)や数値計算論に続く科目で、数理的な応用へとつながるものと位置付けられる。
学生へのメッセージ 行列に関する数値計算法を主に線形代数の見方で学びます。工学の基礎として重要な考え方と思います。
学修単位への対応本科目は50分の授業に対して、放課後・家庭で60時間相当のレポートを課す。
本校教育目標との対応
(3)
JABEE学習教育目標との対応
B-2(○)