2013年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードLK405T
科目名哲学(Philosophy) 単位数2単位
対象学科全学科対象学年4年開講期間通年
科目区分応用科目必修・選択選択履修/学修学修単位
授業形式講義授業時間数60実時間数50
教員名(所属)
小林 幸人

(共通教育科)
教員室
1号棟1階(非常勤講師室)
使用教科書
特に指定しない。適宜資料を配付する。
参考書
城塚登他『現代哲学の招待』有斐閣選書
戸田山和久『科学哲学の冒険』NHKブックス
加藤尚武『現代倫理学入門』講談社
イアン・ハッキング『何が社会的に構成されるのか』岩波書店
 
科目の位置付けと関連科目本科目と関連する科目は2年次開講の「倫理A」である
科目の概要A.客観−主観構造を前提とした近代的認識の在り方およびその問題について理解する。認識論上の問題を理解した上で,科学的認識の性質および問題を理解する。

B.近代の倫理思想を理解した上で,現代社会が直面している様々な問題について考察する。特に,科学技術が社会や環境に与える影響を認識した上で,科学技術およびそれに携わる専門家としての役割,責任について考察する。
授業方針1.@日常的な認識実践の前提構造について理解し,その問題について説明できる

  A近代自然科学の世界観および科学的認識の方法について理解し,その問題について説明できる。

  B哲学的認識論について理解し,説明できる。

2.@哲学・倫理学的態度と自然科学的態度との異同について理解し,説明できる。

  A近代の倫理思想について理解し,具体的な問題に即して説明できる。

  B個の自由と社会的秩序に関わる種々の思想について理解し,具体的な問題に即して説明できる。

3.@現代の様々な応用倫理学の考え方について理解し,説明できる。

  A科学技術の発展と現代社会の問題との関連性について理解し,説明できる。

  B科学技術および科学技術に携わる専門家としての役割,責任について,具体的問題を手がかりに考察し,自分の考えを述べることができる。

授業項目

時間

達成目標(習得すべき内容)

1.認識と存在
30
@主観−客観構造を前提として捉えられる認識の在り方について,その問題点を理解する。
A近代科学の基盤となる世界観について,デカルト,ベーコンらの思想を手がかりに理解する。
B科学的認識の構造について理解し,その問題点について理解する。
C哲学的認識論(カント,フッサール)について理解する。
D認識の相互主観的構造について理解する。
2.現代社会と倫理思想
14
@事実問題と価値問題の違いについて理解する。

A近代における重要な倫理思想である義務論,功利主義,および徳倫理学について理解する。

B個の自由と社会的秩序に関わる問題について,リベラリズム,リバタリアニズム,コミュニタリアニズムなどの思想を理解し,考察することができる。
3.科学技術と現代社会
@現代社会が直面している問題と伝統的な倫理思想との緊張関係について理解する。

A科学技術の発展によって生じた様々な問題および種々の応用倫理学の基本について理解する。
B科学技術と社会との相互作用について理解し,科学技術に携わる専門家としての責任,役割について考察することができる。
評価方法及び総合評価授業項目1〜3から出題する定期筆記試験(80%)と論述課題(20%)で総合評価し、60%以上で目標達成とする。
学習方法講義内容に関して,理解度を確認するためのワークシートを配付する。講義以外でも,各自図書館等を利用し,学習内容に関する自学自習をおこなうこと。
学生へのメッセージ「理解する」とは,記憶された知識だけでなく,それらを具体的な問題に対して用いることができるというレベルで捉えています。したがって,与えられた知識を受け取るだけでなく,取り扱う問題について,各自問題意識を持ち,考えながら受講することを求めます。 
学修単位への対応本科目は50分の授業に対して、放課後・家庭で40分程度の自学学習が課せられる。 
本校教育目標との対応
(5)
JABEE学習教育目標との対応
F-2(◎)