2013年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードCI405
科目名電子回路学U(Electronic Circuits) 単位数2単位
対象学科制御情報システム工学科対象学年4年開講期間通年
科目区分専門基礎科目必修・選択必修履修/学修学修
授業形式講義授業時間数60実時間数50
教員名(所属)
西村勇也(制御情報システム工学科)教員室
西村教員室(5号棟5階)
使用教科書
坂本康正「基礎から学ぶ電子回路」共立出版株式会社
参考書
家村道雄、小山善文他「入門電子回路アナログ編」オーム社
科目の位置付けと関連科目3年次の「電子回路学」
科目の概要最先端の高性能な電子・情報・通信機器には、増幅回路などの電子回路が組み込まれている。まず、増幅回路を実現するためのトランジスタの働きや増幅回路構造について述べ、増幅作用がいかに行われるかについて述べる。そして、各種の基本的、実用的な増幅回路の動作機構、入出力動作特性、直流設計などについて述べる。さらに、差動増幅回路、オペレーショナルICなどを利用した各種電子回路について、できる限り最新の技術内容を紹介する。
授業方針1.交流信号と直流バイアスを重ね合わせるために定電圧電源や各種回路定数などが適切に接続できる。

2.増幅回路構造より抽出される電圧―電流の関係を解析処理し、回路各部の電圧電流値、抵抗値などを算出できる。

3.トランジスタの直流電圧―電流特性曲線から、交流信号の増幅作用を理解し、入出力波形を予測できる。

4.CR結合増幅回路などの基本動作機構、入出力特性を理解し、直流設計に必要な基礎知識を修得できる。

5.差動増幅回路は動作特性が飛躍的に向上し、信号以外の電気的変動を完全に抑制できることを解析できる。

授業項目

時間

達成目標(習得すべき内容)

1.ガイダンス
1
電子回路の定義、増幅回路の必要性、および増幅作用について説明できる。
2.増幅回路の直流バイアス
6
ベースブリーダ形ベースバイアス法を理解し、バイアス温度安定化を解析できる。
3.負荷線と交流動作量
6
静特性と負荷線との関係を解析でき、入出力直流特性理論と増幅利得など交流動作量の関係を算出できる。
4. 動作解析と直流設計
6
最大無歪み動作点の設計を理解し、所望の設計仕様を得るため各回路定数値を算出でき、電圧利得との関係が導出できる。
5. 直接結合増幅回路
4
直接結合増幅回路やエミッタホロア回路の特徴と回路動作を理解し、直流設計を行うことができ、電圧利得が算出できる。
6.差動増幅回路
6
基本回路構造の直流動作や交流動作を解析でき、エミッタ定電流駆動やアクティブ負荷を用いたIC化に発展できる。
7.オペアンプ回路
6
オペアンプの定義、仮想短絡の特徴が理解でき、基本回路構成が解析でき、各種の実用応用回路を設計できる。
8.負帰還増幅回路
6
負帰還増幅の原理と働き、特徴が説明でき、電圧利得、帰還率を算出でき、各種負帰還増幅回路例の動作解析ができる。
9.電力増幅回路
4
最大交流出力電力、平均直流入力電力など動作性能の計算ができる。
10.SEPP電力増幅回路
6
実用的な相補対称形SEPP回路の特徴、回路構造が説明でき、動作解析ができる。
11.ダーリントン接続回路
4
トランジスタ複合接続で大きな電流増幅率が得られる回路動作が解析できる。
12.MOS-FET増幅回路
4
MOS-FET増幅回路の特徴、回路構造、動作機構につぃて理解し説明できる。
評価方法及び総合評価中間・定期試験(80%)、自学学習用の電子回路演習問題の評価(20%)を総合し、CR結合増幅回路や差動増幅回路の動作解析と所望の仕様を実現できる直流設計手法、オペレーショナルICを用いた各種実用電子回路の動作機構に対する授業目標の達成の程度を評価し総合の60%以上で合格とする。演習レポートの提出期限は課題提示の際に示し、期限後に提出されたレポートの評価点は0点とする。
学習方法 
学生へのメッセージ3年次の「電子回路学」で学んだ電子素子の理解のもとに、本科目はあらゆる電子・情報機器の重要な基本構成要素である電子回路の実設計、製作する上での実用知識の基礎を取り扱っており、内容の修得は大変、有用である。
学修単位への対応 本科目は50分の授業に対して,放課後・家庭で40分程度の自学学習が課せられる。自学学習がスムーズに進められるように、授業時間ごとに授業で教える内容の演習課題を出題し、原則としてレポートを翌週の授業時間までに提出する。また、授業中に演習課題を説明し一部は取り組ませることもある。
本校教育目標との対応
(3)
JABEE学習教育目標との対応
C-2(◎)