科目コード | T502 | ||||
科目名 | 電波システム工学(Radio System Engineering) | 単位数 | 2単位 | ||
対象学科 | 情報通信工学科5年 | 対象学年 | T5 | 開講期間 | 通年 |
科目区分 | 必修・選択 | 必修 | 履修/学修 | 学修 | |
授業形式 | 講義 | 授業時間数 | 60 | 実時間数 | 50 |
教員名(所属) | 松田 豊稔(情報通信工学科) | 教員室 | 1号棟3階 | ||
使用教科書 | 松田、宮田、南部共著「電波工学」コロナ社 | ||||
参考書 | 吉川忠久著「1・2陸技受験教室3無線工学B」東京電機大学出版局 若井登著「電波ってなあに」電気通信振興会 後藤尚久著ブルーバックス「アンテナの科学」講談社 安達三郎著「電磁波工学」コロナ社 | ||||
科目の位置付けと関連科目 | 電波による無線と有線による信号伝送の仕組みについて考察する科目であり、通信システム工学と光・情報ネットワークに関連している。(陸上無線技術士の無線工学Bの内容である) | ||||
科目の概要 | 無線工学の基盤技術であるアンテナと電波伝搬(伝送路や大気中を伝わる電波の形態や特性)について講義し,電波(特に平面波)に関する理解を深め,無線通信に関する基本的な考え方と基礎的知識の習得を目的とする. | ||||
授業方針 | 1. 分布定数理論を用いて伝送線路の電圧と電流が導出でき,給電の仕組や伝送線路の基本特性及び整合回路が理解できている. 2. 電波を電磁波として定式化し,平面波を数式表現し,各種媒質中の平面波が伝搬する様子を理解している. 3. アンテナによる電波の放射や受信の仕組み(考え方)を理解し,同時に実効長等のアンテナの性能を表す諸量の計算法や使い方を習得している. 4. 実際に用いられている代表的なアンテナに対して,その動作機構や主な特性を調べることができる.また,アンテナの利得や指向性パターンなど高周波計測に関する知識がある. 5. 電波が空中や伝送路を伝わる様子や特性を理解し,電波の各種伝搬様式を説明できる. |
授業項目 | 時間 | 達成目標(習得すべき内容) |
1. ガイダンス | 無線工学システムのイメージを理解し,本講義で学習する項目を知る. | |
2. 伝送線路の基礎 | 給電線上の電圧と電流を分布定数理論に用いて導出でき,定在波比やインピーダンスなど伝送線路に関する諸量を計算できる. | |
3. 電磁波の基礎 | 電磁波の基本法則(Maxwellの方程式)を理解し,平面波を導くことができ,各種媒質中の平面波が伝搬する様子を説明できる. | |
4. 各種伝送線路 | 平行二線や同軸ケーブル,そして導波管による電波伝送を説明できる.整合回路の働きと仕組みを説明できる. | |
5. アンテナの基礎-1 | 微小ダイポールからの電波の放射を計算でき,放射特性を表す諸量を理解している.半波長アンテナの放射特性が説明できる. | |
5. アンテナの基礎-2 | アンテナの利得の定義を理解し,基本的なアンテナの利得が計算できる.受信アンテナの仕組みを理解している.フリスの伝達公式を導くことができる.アンテナの配列について定性的に説明できる. | |
6. アンテナの実例-1 | 線状のアンテナ(半波長アンテナ,垂直アンテナ,ループアンテナ,ヘリカルアンテナ)の実際の使い方や特性を理解している.実際に利用されている | |
6. アンテナの実例-2 | アレーアンテナ,平面アンテナ,開口面アンテナの動作原理及び放射特性を理解している.アンテナを周波数,構造,特性等により分類できる. | |
7. アンテナに関する計測 | アンテナの利得や指向性パターンなど高周波計測に関する知識がある. | |
8. 電波伝搬 | 電波の伝搬経路による分類(地表波,空間波,上空波)ができ,それぞれの伝搬様式を理解している. |
評価方法及び総合評価 | 前期中間,前期期末,後期中間,後期期末の四半期毎に評価し,その内訳は定期試験と小テスト(レポートを含む)がそれぞれ80%と20%である.四半期の評価の平均点をもって学年成績とし,学年成績が60%以上の得点率で目標達成とする.小テストを受験しなかった場合(またはレポート提出が遅れた場合)は,原則としてその小テストの点数は0点とする. |
学習方法 | ○ 復習を中心に、授業の重要事項の確認及び理解できなかった部分の検討及び調査を行うこと。 ○ 授業で配布されるプリントは、重要事項の整理や基本事項の問題が含めれているので、必ず学習すること。 |
学生へのメッセージ | 本講義の内容は,無線従事者の国家試験(第一,二級陸上無線技術士)の無線工学Bとの関連性が深い.関連する基礎科目は,電磁気学と電気回路学であり,本講義の授業と平行して両科目の復習を勧める. 質問は,講義中を含めて随時, 直接あるいはメール(tmatsu@kumamoto-nct.ac.jp)で受付ける. |
学修単位への対応 | 本科目は50分の授業に対して、放課後・家庭で40分程度の自学学習が課せられます。 |
本校教育目標との対応 | JABEE学習教育目標との対応 |