2012年度シラバス(熊本高等専門学校 熊本キャンパス)
科目コードAN212
科目名知的制御システム論(Intelligent Control System Theory) 単位数2単位
対象学科電子情報システム工学専攻対象学年2年開講期間後期
科目区分情報制御系必修・選択選択履修/学修学修
授業形式講義授業時間数30実時間数25
教員名(所属)
柴里 弘毅(制御情報システム工学科)教員室
5号棟5階
使用教科書
伊庭斉志「遺伝的アルゴリズムの基礎」オーム社
参考書
伊庭斉志「Excelで学ぶ遺伝的アルゴリズム」オーム社

田中一男「インテリジェント制御システム」共立出版株式会社

電気学会「遺伝的アルゴリズムとニューラルネット」コロナ社

科目の位置付けと関連科目関連する科目は電子制御工学科4年次の制御工学、5年次の制御工学、制御工学特論II、専攻科1年次のシステム制御理論、2年次のファジィ工学特論などである。
科目の概要知的制御とは、遺伝的アルゴリズムやニューラルネットワークなどのソフトウエアアルゴリズムを使用した制御手法である。現代制御論やH∞制御などとは異なり、制御対象を記述した数学モデルなしでもコントローラの設計が可能という特徴的がある。本講義では、遺伝的アルゴリズムの操作である交叉、突然変異などのオペレータを通して、評価の高い個体を残す最適な制御値探索力を制御器設計に応用について輪講形式で学習する。
授業方針1. 自然界の遺伝のしくみ、遺伝的アルゴリズムの概要を説明できる。

2. 巡回セールスマンなどに適した遺伝子コーディングを説明できる。

3. 遺伝的アルゴリズムを用いた最適値探索手法を理解し、プログラミング言語で記述できる。

4. システム制御に遺伝的アルゴリズムを適用するための遺伝子コーディングができる。

授業項目

時間

達成目標(習得すべき内容)

1. ガイダンス
2
本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。
2. 遺伝的アルゴリズム
4
自然界の遺伝のしくみ、遺伝的アルゴリズムの原理について理解し説明できる。
3. 遺伝的アルゴリズムの適用例

6
巡回セールスマン問題、Nクィーン問題、囚人のジレンマなどへの適用について理解し説明できる。
4. 最適値探索
10
遺伝的アルゴリズムを用いた最適値探索で肝心なのは、局所解に陥らないことであるが、探索手法が不適切な場合局所解に解が収束する恐れがある。この問題を解決するための基本的技法であるスケーリング、選択方式、GAオペレータについて理解し、プログラム言語で記述できる。
5. 制御システムへの適用
8
遺伝的アルゴリズムを用いた最適値探索を用いた制御システムへの応用について理解し、基本的な例題に対して適用できる。
評価方法及び総合評価【評価方法】

筆記試験、レポート、プレゼンテーションにより総合的に評価する。



【総合評価】

筆記試験(40%)、レポート評価(30%)、プレゼンテーション評価(30%)を総合し、遺伝的アルゴリズムの歴史的背景・遺伝子コーディングの理解度、GAプログラムの作成・システム制御への応用力の程度を総合的に評価し、60%以上の得点率で目標達成とみなす。レポート、プレゼンテーションは必須とし、未了の場合は不合格とする。レポートの提出期限は課題提示と同時に示し、期限に遅れて提出されたレポートの評価点は0点とする。
学習方法関連する科目は電子制御工学科4年次の制御工学、5年次の制御工学、制御工学特論II、専攻科1年次のシステム制御理論、2年次のファジィ工学特論などである。これらの講義内容を復習して受講することが望まれる。以上の科目の大半を履修していない場合は、それらの科目についても自学学習が必要なことを理解した上で、本科目を選択すること。レポート、プレゼンテーションを円滑に進めるため、Matlab、Octave等のソフトウエア環境を各自で用意する必要がある。また、レポートやプレゼンテーションで使用した電子ファイルは、指定された期間内にWebClassより提出を義務付ける。なお、受講者少数の場合は総合評価の内訳を一部調整することがある。
学生へのメッセージ 
学修単位への対応学修とは自学学習を含む科目を指す。
本校教育目標との対応
 
JABEE学習教育目標との対応
D-1(○)