地域イノベーションセンター「新技術セミナー」を開催しました。(7/30)

2012.08.07

7/30(月)、八代市三楽町のメルシャン株式会社八代工場において、八代市工業振興協議会と本校(地域イノベーションセンター)の主催で「新技術セミナー」を開催しました。

今回のセミナーでは、本校、九州沖縄地区産学官連携コーディネーターの上甲勲氏による講演「新しい水処理技術について-有害物質の無害化と有用物質の回収・再利用技術-」が行われました。私たちの日々の生活を支えている生活用水や産業用水、これらの水は使用することで汚濁物資を含んだ生活排水や産業排水として排出されますが、これらの排水の浄化処理に従来から実施されてきている水処理技術の基本は、汚濁物質の分離除去あるいは生物反応を利用した分解処理する方法でした。近年になり、人々の環境問題や省資源の意識が高まり、水の新しい高度処理技術が求められています。講演では、合成ゼオライトの開発、アンモニア、リン含有排水に関する種々の処理方法の解説、また回収したリン等の再利用技術、着色排水の脱色技術としての電解・触媒法による脱色浄化処理装置の開発等、これからの環境保全技術への期待に胸が膨らむ話題でした。水の問題はこれから東南アジア諸国等グローバル社会においても関わりのある重要な技術であり、今後の事業化にも繋がることが期待されています。講演後の質疑応答では、参加者から数多くの質問が出て、有意義な講演会となりました。

その後、メルシャン㈱八代工場の見学会が行われ、良質な阿蘇白水の地下水を用いて唯一無二の焼酎づくりにこだわる「伝統と革新」の焼酎蔵として2006年に完成した「八代不知火蔵」を見学しました。

また、今回は地元企業の方のための個別相談会を開き、技術相談を受けました。今後も、新商品・新事業のインキュベーションの場としての有意義な利用が期待されます。

上甲CDの講演会 メルシャン(株)八代工場の見学