座談会:新高専の第1期卒業を迎えて -1期生としての5年間-

2015.03.09

日時:2014年12月19日(金)PM2時~3時30分
場所:熊本キャンパス 大会議室
参加者
 長谷川校長、下塩副校長(熊本C)、齊藤副校長(八代C)
 熊本C学生代表
  情報通信エレクトロニクス工学科(TE)5年 草野欽太君
  制御情報システム工学科(CI)5年 森山拓哉君
  人間情報システム工学科(HI)5年 中神楓子さん
 八代C学生代表
  機械知能システム工学科(MI)5年 木村匠君
  建築社会デザイン工学科(AC)5年 磯﨑将臣君
  生物化学システム工学科(BC)5年 梶原佳太君
司会:永田/小田(総務主事)

座談会参加者

下段左から:梶原君、木村君、磯﨑君、長谷川校長、中神さん、森山君、草野君
上段左から:小田、齊藤副校長、下塩副校長、永田

※文中敬称略

永田:今日はどうもありがとうございます。いよいよ3月で、新しい高専として初めての第1期の卒業生ということで、広報の高専だよりというのがありまして、高専だよりも新しい高専と同じで平成21年10月から始まって、今年度で、17号になるんですけども、年度最後は卒業特集ということで組んでるんですが、今年は、新高専での初めての卒業ということでこういう企画を思いつきまして、実は第3号が新入生が入って来た年の初めての号で、その時は、旧学科の学生で座談会やってるんですよね。新学科の学生で座談会をやるというのはこれまでになかったので、この機会にこういう場を設けて、新高専に入ってきてこれまでの経験とか、思ってたこととか、思ってたことと違ったなあとか、いろいろな感想を聞かせていただいけたらと思います。よろしくお願いします。熊本キャンパスの総務主事をしております、永田と申します。今日は進行の方を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
最初に、5年前に八代高専と熊本電波高専が、高度化・再編で一緒になりました。その時に新しい高専を立ち上げるにあたっての目標についての簡単な説明を校長先生、副校長先生からお願い致します。

校長熊本高専は平成21年の秋に新しい高専としてスタートしたわけですけども、全国の4つの地域で、それぞれ2つの高専が高度化再編という形で、1つの高専になりました。当初はスーパ高専と呼ばれてましたけども、大きな狙いとしては、研究と教育を高度化したいということで高度化再編したんですね。高度化再編にあたっては、それぞれのキャンパスの本科の学科を一つずつ合計2クラス減らして、一方その分、専攻科の定員を増やして研究面、教育面を高度化する。教員はそのまま同じ数の教員が残りましたので、教育や研究面でそれだけ時間を学生の皆さんにいろいろかけられることになります。それから、同時にセンターを3つ作り、センターを使って教育と研究の高度化を図るということも大きな狙いとして、2つの高専が1つの高専になったわけですね。当時の目標としては、グローバルに活躍できる、そして実践的創造的な技術者を育成するというのが高専の狙いです。そういうことでちょうど平成21年10月1日に新高専としてスタートしました。その翌年の春に皆さん第1生として入学してこられたということです。なにか、補強する点あれば。

齊藤:今、校長先生がおっしゃった通りなんですけども、もともと熊本電波高専の方は電波という名前がつくように、情報通信系が主体の高専と、それから八代の方は融合複合系の学科ということで、両方のそれまで持っていた特色をそのまま活かしながら高度化再編しようということで今のような形になっています。

入学時の想い

永田:それでは、学生の皆さんの方から、入学する時に、新しい高専になったということはたぶん、進路指導の先生あたりから聞いていたと思うんですけども、どういうイメージで、例えば、八代高専、熊本電波高専それぞれやっぱりイメージがあったと思うんですけど、新しい高専に対するイメージと、それから皆さんが高専に入ってやりたかったことや、目標とかをどういうふうに5年前に考えてたのか、ざっくばらんにしゃべっていただきたいと思います。

木村:僕は正直いって高専に入学する前はあんまり何も考えずに八代に行こうと思ってました。複合学科の最大の特徴である機械も情報もいっしょに学べるという事に惹かれて、とりあえず八代に行こうと決めたんだと思います。実際に僕の学科では機械系の授業の他に、3年までは情報系のC言語とかの授業もありました。入学してからは、情報システム研究部というプログラミングをやるような部活に入って、低学年の頃はプログラミングをやってました。後半4、5年になってからは卒業研究で機械系の研究室に所属して研究をしているので、今は情報も機械も両方やってるみたいな感じになってます。入学前の漠然とした目標通り,複合学科の特徴を思い切り生かしきっていると思います。

磯﨑:僕も特に何も考えずにAC科に入りました。まず、根本的に僕はAC科に入りたくはなかったです。僕は、第一志望BC、第二志望MIでACに回ってきたんであまり期待はしてなかったんですけど、卒業間近ということで実際5年間を振り返ってみるとAC科でよかったかなと、自分には合っていたのかなというふうには思ってます。

森山:私は、入学前はやはりお二方と同じようにそんなに意識せずに入学したんですけど、工学を学べてしかも家から近かったということで選びました。実際に入学してみて自分の知らないことを、他の方は知ってるっていうのがよくあって、みんな意識高いんだなあっていう感じでそれに引っ張られるように自分も知識を身に付けていくことが出来たので、この学校を選んでよかったと今は思っています。

永田:新しい高専っていう意識はありましたか?

森山:そうですね、電波高専っていうのは知ってたんですけど、新しい高専っていうのはあんまり意識してなくて、入学してからすごい言われたんですけど、そんな変わったのかなっていう、最初は実感なかったですね。

中神:私は、情報系の勉強をしたいと思って、それで熊本キャンパスの方を選んで、オープンキャンパスでプログラミングをちょっと体験したときに、興味を持って人間情報を志望しました。私も森山君と同じで家が近いっていうのも一つ理由があって、専門的なことも早くから学べるということで選びました。

下塩:新しい学科に、人間っていう名前を付けたんだけど、それは何か感じなかった?

中神:福祉系の勉強をしたいなと少し思っていました。

梶原:自分は新しい高専とは一切意識してなくて、単純に生物系の学科に行きたいなと思っていて、探したらここしかみあたらなくて、結局、八代高専に行ったんですけれど。いまだに、でも熊本高専と八代高専を区別している人はあまりいないみたいで、どこに行っても八代高専、八代高専と言われて、そこはちょっとなんかなあって思うところはあります。

草野僕がこの学校を決めたのは中1の時で、3つ上に兄がいて、僕が中1の時高1なんですよ。高校受験を終わったのに高1の段階でもう大学受験を考えてて、母親からお前にはそんな根気、長く頑張ることは無理だから大学受験しなくていいとこに行けって、高専にしとけよみたいな感じで言われて、僕もそう思ったんで高専にしようと思って、どの科にしようかと思って考えてたら、父親に、これから福祉が高齢化社会だから来るから、人間、名前入ってるしそっちの方が食いっぱぐれがないんじゃないみたいな感じで、最初推薦で、HIを志望して受けたんですけど推薦はそのHIは落ちてTEに滑り込めたんで、もう受験終わるならTEでいいかなって、で、転科出来るって聞いてたんで、嫌だと思えば転科すればいいしと思って入ったらなかなか合ってて、流され流されながら来たんですけど、結構高専というのが自分に合ってたのかなあって思って、今5年通いましたけども、あと2年専攻科で通いますし、なんかの縁で流されて来たんじゃないかなあっては感じました。

新高専のイメージ

永田:入ってみて新しい高専というイメージが沸きましたか?それについて改めて意識するとか、特にそういうことはなかったですか。

草野:なんか、2年に上がった時、上から落ちてきた人が全然違うことで苦労してたんで、ああ、前とは違うんだなあっていうか、そこが一番感じました。

永田:何が違うって言ってた?

草野:いや、科目も違うし、まず過去問が使えないし。

木村:ああじゃ、そういった意味では、八代高専は前は4学科ありましたが僕らの代から3学科になって、先輩たちから「僕たちは4学科なのに君らは3学科、教室が1個空くね」みたいな、話をきいたことがあります。あとは、新しい学科になって増えた科目があって、その科目では僕らは結構、試験的な授業になったものが多く、先生たちも僕たちも苦労しながら進んで行きました。

永田:あと皆さんも体験してると思うんですけど、新高専になって5年間経つんですけど、高度化・再編したことによって、新しい設備が結構出来たんですよね。例えば八代キャンパスの方も校舎が新しくなったり、あと設備もたぶん入ったと思うし、熊本キャンパスの方も、校舎もかなり新しくなって、いろいろな設備も入ったんですけど、なんかそのへんの実感とかはありますか?

森山CI科に関して言えば、ラボが新しくなったことによって卒業研究でその設備を実際に使っている人たちを見て、うらやましく感じました。無響室も設備がちゃんとしてて素晴らしいなあと思いました。

永田:そう思って頂けるとありがたいですね。

齊藤:むしろ苦労の方が多かったという人はいませんか?校舎改修とかで結構、本来の教室が使えなかったりとかですね、そういうのが多かったと思います。今から先はだいたいどちらも新しくなって、いい環境でやれると思うんですけどね。5年まで上がってきた人たちが一番苦労してたのかなあという気はしますけども・・。

木村:工事ばっかりでしたね。

森山:教室がどんどん入れ替わっていきました。今年はここだ、みたいな感じで。いろんなところに飛ばされて行きました。

木村:今、工事のせいで、僕が所属している研究室にすごくアクセスしづらくなって。ものすごく遠回りしなきゃいけなくなってます。

齊藤:他の高専に行って見たことがある人は、施設とか設備を比べると、だいぶうちの方がいいなあっていうのをたぶん分かってもらえるかなと思うけど、中にいるとなかなか実感としては湧きづらいかもしれないですね。今から入って来る新しい1年生とか、今後入ってくる人たちからが一番、その恩恵をこうむれることになるのかなと思います。

校長:ほかの高専よりはそういう意味では恵まれたんですよね。高度化・再編で国から余分にお金をいただいて、綺麗にするとか、設備をよくするなど、高度化するために特別につけてもらったんですね5年間。だから皆さんより1年あとぐらいに人が全部揃った形でということなのかもしれませんね。

新高専と旧高専の間(はざま)

永田:さっき、入学時のイメージをちょっと聞いたんですけど、実際に入学してからのこの5年間、自分のそのイメージがどんなふうに、例えば一応一つの高専になったんですが、でもやっぱりすぐ上には旧学科の学生がいて、まだ、それぞれのキャンパスの伝統というのかな、そういうのが残っているような状況で、下からは新しい学生が入ってきてそのちょうど真ん中ぐらいにいて、一番最初の学生として徐々に変わって行ったのか、そうでもなくあんまり変わって行かなかったのか、そういうところの印象とかは何かありますか?

森山:制服が替わったところは印象的でした。

永田:制服の統一についてはその最初の座談会の時にぜひ統一しましょうと話があって、それで進んで行ったんですね。男子はあんまりね変わらないのかもしれない。ちょっとでも違うかなこの、シャツがちょっと違う。

森山:かっこいいなとは思います。

永田:その他、何かないですか。

中神実験の内容が低学年の頃はプログラミングとかの方が主だったんですけど、3年以降からヒューマン系の実験が増えてきて、生態計測などを行ったり、そこが人間情報なのかなと思いました。

永田:3年生から本格的に学科の実験が始まるので、その辺からたぶんそれぞれの学科で新しいカリキュラムや実験とかですね、カリキュラムももちろんそうですけど、入ってきたと思うんですよね。それでこうだいぶ、性格が前と変わってる部分もあるし引き継いでる部分もあるしっていうことになりますね。

梶原:5年間実感したこととしては、自分の1コ上に情報(電子工学)科が前あって、その学科の先輩と結構仲良かったんですけど、自分たちが3年の時にやってたプログラミングのテストとか授業とかですね、全く同じ内容を4年生のその先輩がやられてたんですよ。それはちょっと難しいし、何だこれはということはありましたね。

校長:大変だった?

梶原:はい、大変でした。ここは何ですかねって聞いたら、ああ俺がそれ今やってる、みたいな。

永田:これは、教育の高度化とういことですね。

木村:そうですね。前の学科のことはあまり詳しくはわからないですが、どうも話を聞くと、旧学科で5年にやった科目を新学科では4年でやったりとか、そういうのがいくつかあったみたいで。あとは5年になってから選択科目が急に増えました.選択科目も前の学科だったら、機械系の科目2つで分かれるというのが多かったと思うのですが、今はその気になれば情報系とか電子回路系とか、選択次第で情報系に特化できるようになってて、そこが変わったところなのかなあと思いました。

校長:世の中の技術がどんどん進んでいるので、昔より皆さんやっぱり新しいことまで勉強の範囲に入っているわけですよね。一方、基礎の基礎は昔と変わんないからそれだけ広い範囲のことをやらなくちゃいけない。でも、いっぺんに全部やるのはもちろん難しいからそこはどう選択するかということだろうと思うんですけどね。そういう意味で昔の人よりは早くからより高度のことを勉強してるということになりますよね。

齊藤:最初に学科のカリキュラムをどうするかっていう議論をした時に、最低限必要なコアの部分はきちっと教えた上で、できるだけそれぞれの個性にあったというか、その人が目指すものに対していろんな発見の幅を与えてあげられるような設計にしたいということで、たぶん開設科目の数としては再編前よりもちょっと増えてるんですよね。その中でその自分が勉強したい内容を選択出来るような、科目を出来るだけメニューとしては作りたいということでやったんですけどね。ただ、いざ5年生に上がって来た人を見ると、なかなか選択科目をあんまりとってくれないケースがあって、低学年のうちに単位を結構たくさん取れてて、5年生ではあんまりとってくれないなっていうのが、教えている側の実感ですね。

木村:それはちょっと、設定がおかしいんじゃないかなと僕は思ってます。

齊藤:数的なバランスが、ちょっととれてなかった。

磯﨑:僕、建築社会なんですけど、それでもやっぱり共通のC言語であったり、情報系の勉強をするっていうのを知らなかったのでかなり苦労しました。

小田:低学年の時ですかね。

磯﨑ああそうですね。C言語、全然意味がわかんなくて、もうそっちで留年しかけました。

小田:説明はまあ、入る時に一応あったのはあったんですねきっと。

磯﨑:いや、あったのかな、たぶんあったとは思いますけど予想以上の、たしなむ程度じゃ済まなかったです。本当に理解しないと出来ないような課題ばかりで、本当に苦労しました。

齊藤:高度化再編する時にICT系や電気の制御系など、どの専門分野にいっても将来関わりが出てくるところだということで基盤的な科目として共通コアの部分にそういうICT系の科目を配置するようにしました。今の時点で役立つかというと、まだ答えは出ないのかもしれません。社会へ出てしばらくして、ああ、あのこと勉強しといてよかったなということが、あとから出てくるんじゃないかとこっちは期待しています。

木村:(磯崎君の話から)ちょっとフォローいいですか。ちょうどその時が、僕がさっき入っていると言っていた情報システム研究部の顧問をされてる先生がその授業の担当でした。当時の授業の話をしたときに今となっては難しくしすぎたなあ、みたいな話をされていたので,今のその授業はちょっと緩和されてわかりやすくなっていると思います。当時のその授業は,僕は結構プログラミングをやってた方ですが、僕でさえ結構苦労するような問題ばっかりでした。

永田:BC科の梶原君は、そのあたりはどうでしたか?

梶原:あっ、地獄でした。訳がわからなったです。

木村:テスト期間中はもうひっきりなしに僕は、同級生から、パソコン室に呼ばれてました。

梶原:同じ学科でも違う学科でも分かる人を(パソコン室に)呼んで、これ何って聞いて教えてもらって、あっそうかってやっても、また間違ったりするんですよね。そういのはもう本当地獄でしたね。課題が50%だったんで、テストで良くっても課題がよくないと上がれなくって、それがもう恐かったです。

小田:周りの人もみんなそんな感じだったんですか。

磯﨑:とくにACが、あんまり情報のスペックがない人間が多かったみたいで、誰を呼んでも一緒で、結構使えないなあみたいな感じで、結構MI科に頼ってましたね。

成長できたこと

永田:それじゃ5年間で、例えば自分がどんなふうに成長できたのか、なかなかこれは自己評価というのは難しいと思うんですけどね、自分なりに、入ってくる時はこんなふうになりたいなあと、実際5年経って、進学する人、就職する人いると思うんですけども、どういうことが身についたのか、どういうことが勉強になったとか、この辺もうちょっとやっておけば良かったかなとか、そんなことがあったらお願いします。

森山入学した頃はただ単純に工学的なことを学んで技術者になりたいという大きな目標しかなかったんですけど、その目標のために勉強をしていく中で成長する機会がありました。私の学科でしたら、制御情報システム工学ということで、制御理論、プログラミング、電気回路なんかも学んでいく中で、わからないところを他の人と教え合うことが多かったです。そういうのは中学校ではあんまりなかったので、なんか仲間意識みたいなのが芽生えました。実際に5年間過ごしてみて、今は得意な科目が専門科目の中にあるので、そういう意味ではすごい成長できたなって感じます。

木村:部活やってて、3年から部長をやり始めて組織の運営というか、マネジメントというか、そういったものをやる機会がありまして、それでちょっと頑張ってた時期があったんですけども、当時はあまりやる気がない人たちがいて、そこで結構いろいろ苦労をしました。僕自身も大会に行かせるためにいろいろやったのですが、時にはやり方を間違えて、失敗したりしました。結果的に、今の部活ではすごいやる気出たというか結構活性化はしているのですが、それは僕自身の部長として取り組みの影響なのか否かうーんみたいな感じです。リーダーとしてまあ組織作りとしての大変さを経験したところが一番勉強になったかなと思います。

校長:運営諮問会議っていって外部のいろんな方に学校の状況をお話しして、いろいろご意見伺うことがあるんですけども、去年の会議では、特に技術者でもそういう経営とかマネジメントとかですね社会人として必要なのを教育してほしいというようなご意見もあったんですね、多くの(メンバーの)方から。高専によっては、最近は、本当に経営学みたいなものを少し入れようというようなことを考えてる高専もあるようですね。だから、やっぱりもちろん専門の技術として狭くてすごいとんがってるってのは重要なんだけども、それだけではすまなくなって、社会の中でしっかりやってもらうためにそういうマネジメントの経験というのはきっとすごく生きるだろうと思うし、そういうことは世の中では必要とされてるようですね。あとは、期限ですよね、いつまでにやらないといけないというのは、その会議の時に言われました。高専大会、ロボコンやいろんな大会だったら期限が決まっててそれに向ってやってるし、まあそういうことで訓練されてるっていうようなことをお伝えした覚えがあるんですけどね。

草野:入ったときはこの学校は進級とかが厳しいっていうイメージしかなかったんで、だから少しでも手を抜いたら自分なんか留年するみたいなふうに思っていました。

永田:担任の先生から聞いたとか?

草野:最初担任の先生がたしか、まずこのクラスみんなで卒業することは出来ないって。毎年言っておられると思うんですけど。そういうのを聞いて頑張らなきゃなと思ってまじめにやってたんですけど、1年生の内容だから全科目まじめに勉強していっても、まあ間に合うんですけど、3年あたりぐらいから全科目にまじめに取り組むっていうのはもたないっていうか、やっぱりその大事なところはまじめに聞いて、手を抜くみたいな。悪い言い方になると、手の抜きどころを見つけるんですけど。良い言い方するとメリハリがちゃんとつけられるように、いろんな良いところ悪いところをちゃんと見極められる力がついたのかなとは思いました。

永田:それはどういうふうに判断するわけ? ここに力入れよう、ここはちょっと手を抜いてもいいかなって。

草野:そうですね。具体的に科目で説明すると、ちょっと問題があるので・・。正直、3年過ぎたあたりから専門科目は力を入れようという気にはなって、あとは英語、数学あたりで。失礼な話、4年で入ってきた生物とかはなんでいきなり生物なんだろうと思いながら、まあ聞いてた分には面白い話だったんですけど、その身につけるとなるとこの知識を100身につける必要はあるのかなかっていうのは思って、優先順位をつけることが出来ます。

永田:それは例えば、自分が将来こういう仕事につきたいとか、こういう学校に進学したいとか、こういう会社に行きたいとかっていうのとは関係はあんまりないんですかね。

草野:今、半導体の研究室に所属していて、電子系統の半導体系の方の道を今メインに考えていて、これから変わることはもちろんあるとは思いますけど、今はそれを考えています。選択科目を選ぶ際も、そういうのを考慮して取らなくていいかなっていうのは取らなかったようにしました。

校長:さっき、お兄さんが高校に入ったとたんに、そういう受験が大変そうだっていうことを見て来たわけですよね。お兄さん見て普通の高校行って受験するのと、実際高専に入って高専の勉強きちっとやって行くのと、どうですか?どっちが大変そうとかありますか?

草野そうですね、僕の場合でいうと、僕は中学校の科目でも好き嫌いが結構分かれたタイプで、数学は本当得意で取れてた、そんなに勉強しなくても取れてたっていうタイプで、高専に来ても結構数学は取れてた方なんで、結構数学を利用する科目が高専は多いんで、高専でまじめにやってるほうが楽かなあって。高校行って歴史とか地理とか暗記しまくるのはちょっともう中学校の頃から嫌だったんで、かなりきつい思いをしてたと思います高校に行ってたら。

齊藤:それは、受験のために嫌な勉強も、嫌なというと言い方悪いですけども、受験のためにしなきゃなんないということを、少なくともまあしなくてもいいから、そういうメリットはあるっていう思いかしら。

草野:そうですね、高校の勉強は、僕の勝手なイメージですけど。高専の勉強は将来の仕事のためで、高校の勉強は大学受験のためみたいな感じがするんで、それはどうなのかなって。高校は、うーんって思いながら。

校長:なるほど。

小田:梶原君はどうですか?

梶原:成長したことって言われて、そんな思い浮ばないんですよね。自分が1年の時の姿をそんなまず思い出せなくって、どんな生活してたかなと思って。

永田:いや、たぶん成長してるはず。今の一年生見るとたぶん成長してる。

梶原:ああ、それは思いますね。なんかガキっていうか幼いっていうか、そんな感じのイメージが強いんで。

齊藤:1年生見たらガキだと感じるということだけど、5年間過ごす中で自分もガキだったわけね。何が自分をそういうふうにこう変えてくれたと思いますか?高専のどういうところがその君の成長につながったんだろうか。よく、うちのOBとかに聞くと、寮生活で非常に鍛えられたとかも聞いたりするんですけど。

梶原:自分、通学生なんですけど。何というか、1年生の時から、普通の高校だったら2コ上、3コぐらいまでしか関わりないですけど、高専だったらやっぱり二十歳(はたち)とか、結構上の人たちと関わることが多いんで、たぶんそこで関わっていくうちに、こんな感じになりたいっていうイメージが自分についたんじゃないですかね。自然とそうなれるように成長していったのかなとは思いますけど。部活動とかでも専攻科まで入れたら5、6才か7才上の人までいるんで、大人の人と接する機会が多いっていうのはありますね。

グローバル教育

永田:ちょっと話題を変えて教育のことで、最初に校長先生もおっしゃっていたと思うんですけども、グローバルに活躍できる人材を育てて行きましょうというのは、当時、5年前もそういうことを言ってたんですけど、特に最近ですね、さらにグローバルに活躍できる人材をということで、英語にも力を入れるとか、ただグローバルっていうのは英語だけじゃなくて、他にも世界のいろいろな知識というのが必要になるかなと思うんですけど、学校としてグローバル教育に取り組んでるなあというイメージはありましたか?

梶原:留学生がいることじゃないですか。

永田:八代キャンパスは留学生が多かったんですかね。熊本キャンパス結構少なくてですね。

梶原:少ないとは思うんですけど、いるっていうことがまあびっくりすることなんで。

木村一つあります。4年の時に材料力学という科目の教科書で、基本的には日本語なんですが、ところどころ英語が混じってて、問題が英語で書かれている部分があり
ました。それを見て、これどうせいというのかと思いながら、その授業は悪戦苦闘していました。ただでさえちょっと難しい科目だったので英語で出されると、困りました。

永田:英語の授業とか、そういう英語の問題とかは印象がありますか?難しそうだなとか、それぐらいした方がいいのかなとか。

森山:英語の授業とは関係ないですが、4年生の時に行ったシンガポールでの研修旅行がすごい印象に残りました。CI科は他の学科と比べて研修期間が長かったので、現地の方と仲良くなれました。あと技術的なプレゼンを通じて、英語に関する知識も身につけることが出来ましたし、そのプレゼン資料を現地の方に修正してもらったり、いろいろアドバイスもらったり出来たので、すごい良い経験になりました。

永田:なかなか学校でやってることだけで英語をしゃべれるとかね、ということにはならないと思うんですけど、きっかけ作りはできればしたいと思ってるんですよね。意識付けといいますか、やっぱり英語はこれからの社会に必要なんだということを、ある程度でも体験を通して学んでもらいたいなと思ってますけど、そういう、あっこれでちょっと英語やらなきゃいけないなと思ったことはありますか?

中神夏休み明けの特別時間割の時の技術英語とか。

永田:4年生?5年生?

中神:両方ありました。メールの書き方とかスピーチの仕方とかについて、日本とアメリカの違いを学べたのは良かったなと思います。

木村:プログラミングで開発していく時に、結構英語のマニュアルとか読まないといけない場面があって、一番手っとり早いのは原文をそのままコピペして翻訳ソフトを使うことだったんですけど、そのうち、だんだんともう雰囲気で英語が読めるようになってきて、今ではちょっと見たら、たぶんこういう意味だろうなあ、って思いながらやれるようになれました。あとはあの、留学生が近くの研究室に来てる時期があって、その時に研究室が近かったからよく遊びに行ってたんですよ。その時に、結局は日本語で話して交流しましたが、やっぱり海外の人と話すには英語が不可欠だなあと思いました。

校長:皆さんの先輩とよく話したりするんですが、かなり上の先輩含めてね。高専の学生はしっかりしてるから、出来なくたって、いざ会社入って仕事をやってる過程で、もう行かなきゃけいけないと、現場に放り込めば、もう否応なくできるようになるっていうふうにおっしゃるんですよ。おっしゃるんですけど、それはそうだと思います。それはそうしなきゃやっていけないから。でも、それよりも前に英語出来ていると、もっといろんな可能性出てくると思うんですよね。だから会社であれば特にそうだと思いますけど、何か英語に関わった仕事が出来て、誰かにやってもらわなくちゃいけない時に、誰に頼もうか、非常に重要な仕事で誰に頼もうかと。そうなるとやっぱりまず英語ができる人ということで選ばれる。それは、さっき言ったように、そこへ放り込まれればやりますよって言ってもね、ちょっとそれじゃ間に合わないよって、機会を失うことがあると思うんですよね。チャンスを自ら遠ざけちゃうことになるから、やはり英語は苦しくてもやってたほうがいいと思いますね。自分の可能性をそれだけ広げることになる、それを避けてると、そこから逃げてるとそれだけ、いざとなると出来るけど、もしかしたらもっといい成長の機会なりその昇進の機会なりね、あってもそれが実は自分のところに回ってこない可能性があるから、そこはちょっと頑張ってもらいたいなあと思います。

永田:梶原君は何かありませんか?

梶原:俺も英語から逃げてた人間なんです。まあ簡単な和訳文、英文とかだったらぱっと見でこんな感じかなっていうのは分かるんですけど、まあ翻訳かけてみたら全く違って、そういうことが多々あるんで、必要かなと思いますし、学校は関係ないですね。就職決まった企業からですね就職して何年後かにはTOEIC660点以上とってもらうと言われて、今自分、TOEIC370点以下なんでまあしなくちゃいけないなっていう気持ちはありますね。

永田:いろんな、学校以外のところから、これからの将来、社会に出たら英語が必要だなっていう情報はやっぱり入ってきますか?

梶原:すごい入ってきますね。自分は企業の工場見学とか、結構回ったんですど、どこに行っても英語やれとずっと言われ続けたんで、まあしないと厳しいかなっていうところはありますね。

校長:あの、英語はそんなに皆さん、僕らは日頃日本に住んでて生活が何も困らないから、なかなかやれないんですけど。よく言うでしょ、外国だったら子どもだって英語しゃべれるんだから英語なんて難しくないって。そういう強がりみたいなことを言うんだけど、そんなことはないんですよね。やっぱりそれはその24時間そこで生活しているから子どもだって出来るようになるんであって、そういう環境でいないんだったらそれに近いだけの努力はやっぱりしないとそこにはなれっこないんですよね。でもひとたび、両方、日本語に加えて英語が出来るようになったらすごい力になるから、やっぱりかけた時間だけ必ず伸びると思います。英語については。かけないで上手になろうというのは無理だねえ。だから、下塩先生もいつも学校で言ってるんですけど、普通高校から大学行った人だと3000時間ですか英語の説明時間があると授業の中で、高専はやっぱりその少ないからそこはちょっと自覚して、自分たちは数学や技術の分はしっかり持って来てるけども足りない部分があるんだということを自覚して、そこはなるべく早いうちにねカバーしといた方が自分たちのためになると思いますよ、絶対に。

キャンパス間交流

永田:今まで教育の話をしてきたんですけども、キャンパス間の学生同士の交流みたいなのを、最初にやった座談会ではいろいろやって行きましょうって話があったんですけども、実際に5年目になって、キャンパス間の交流という意味ではどんな印象を持ってますか?こんなことをやりかったとか、こういうことをやりましたとか、あと、こんなことやったらもっとよかったなとか、そんなことがあったらちょっと聞かせてもらいたいなと思いますけど。5年前の座談会ではですね、文化祭にお互いの学生を招待しようという話が出ていたんですが?

磯﨑:学生会の一部がやっています。去年は僕、学生会で体育局だったんで出ました。

永田:具体的に参加した人はいますか?

梶原:ドッチボールに参加しました。

校長:どうでしたか?すぐ馴染めた?

草野クラスマッチ的なのはこう普通に試合して帰っていった感じでした。たぶんそれをまとめてる人たちでは交流があったと思うんですけど、普通に参加した人たち、自分としてはそこまで交流はなかったかなという感じでした。

永田:それはどういう形式でゲームやったの?対抗とかじゃなく?

草野:熊本Cの場合は、クラスマッチを冬にして、あと春で、その中の成績が良かったクラスが八代に行って八代と試合をするみたいな。それで、去年行って試合をして帰った、という感じですね

校長:試合だけだと、ちょっと交流は難しいかもしれないね。その前後になんかあったらよかったのかな。

永田:ほかに、何かこういう経験したとかはありませんか。

草野:よその部活はわかんないですけど、水泳部は高専大会に行って、合同練習一緒にどうみたいな、同じ学校なんだからみたいな感じの話になって、それぞれのプールに行って一緒に練習したりというのが何回かあって、ラグビーも完全に片方のチームの人数ずつしかいないから、八代もうちも。なんで、その試合形式の練習が出来ないから合同練習して経験を増やそうよ、っていう話は結構ありました。

永田:逆にこんなことをやりたかったとか、やればいいとか、そういう提案とかはないですか?あまりその学生同士でそのキャンパス間の交流しようとかって意識はそんなにないですかね。

梶原:そもそも学科間、我々のキャンパスでも学科ごとにその交流するのがあんまりないんで。たぶんキャンパス離れたところとしてというのはあんまりないんじゃないですかね。

小田:もし近かったらやってみたいという意識は?

梶原:たぶんそれはあると思います。

下塩ロボコンはほら8月に、プレマッチじゃないけどやってて、あれでだいたい一通り作り上げるので、他の学校はコンテストギリギリにやっと仕上げるのに比べ、熊本C、八代Cはあの段階で一旦仕上げるのでそのあともう一回いろいろ改良する時間があって、それがここ3年の好成績の原動力になっている気がします。

永田:特に後輩たちにこんなことをやって欲しいとか、提言とかはないですか? 磯﨑君は、学生会としてこういうことをしたら良かったんじゃないかみたいのはないですか?

磯﨑:キャンパス間の距離が難しいですね。

梶原:今、入学式も一緒にやられてるんですよね。自分たちはもう入学式からバラバラだったんで。そういう交流も一切ないんで。

永田:今回、卒業式が一緒ですね。

中神:卒業式だけ・・。

梶原:それはちょっと、びっくりしているんですよね。

中神:卒業式で初めて会うみたいな・・。

梶原:全く知らない人たちと卒業するんで。

1期生としての苦労

永田:さっきからちょこちょこ出てきてますけど、皆さん新高専の第1期生ですよね。初めての学科で、初めてまあ一番上級生になるんですけど、もちろん先輩には旧高専の学生、先輩がいましたけども、新高専の1期生としてこのへん苦労したなあとか、このへんは楽しかったなとか良かったなとか、そんなことは何かありませんでしたでしょうか?さっき身近な問題として試験の過去問がなかったというのがありましたけど、なにか勉強を教えてもらうにしても先輩の知らないことがあったとか。そういう苦労したこととか、逆に良かったこととかはありませんか?

梶原:苦労したことと言ったらですね、えっと今、情報の科目を5年生でしてるんですけど、去年までの情報科で2年間かけて教えてたことが半期間分になったらしくて、要所、要所とってしてるからもう自分たちからしたらわけがわかんないですよね。ここ何?えっ?て説明したのっていうのがいっぱいあって、それはすごい苦労してますね。過去問がやっぱり凝縮されたようになくて、もうそれまた情報受けないとわけがわかんないですよね。

小田:5年の今、受けてる科目で?

梶原:そうですね。情報(電子工学)科で2年、4年か5年で1年間か、4、5年で2年間かけて詳しくやってたらしくって、それ今、凝縮して半期でやってるんで、もうなんかわかんないですね本当に。

校長:先生の方も初めてなんですね。

梶原:そうですね先生も初めてだからどこを教えていいかわかんないんです。

木村:それに近い話で、5年の専門科目でも、今まで1年間いて教えてたのを4分の1ぐらい縮められたみたいな話されて。どうしようか、みたいな困ってるって話を聞いたことがあります。

校長一方で、これからは教えられるんじゃなくて自分で学ぶんだというような方向に学校を変えようとしてるし、これは高専だけじゃないですけど、大学でもどこでも。つまり、全てを教えきることはもう出来なくなってるんですね。それだけ沢山の進歩したことがあるから。今までだったら全部教えられたけど、どんどん進歩しているのでやはり自分で勉強して欲しいし、社会に出れば否応なく自分で勉強することになると思うんですよね。学校とは違って自分でわかんないから教えてくださいって、教えてくれる人もいるけれども基本は自分でやってしまわないといけない。だから、よく解釈すればね、そういうことを期待して今、そういう授業をしているのかもしれないんですけど。とはいってもね、なんか急にあの今、心構えと、それから、じゃ自分で学ぼう、学び方というのもやっぱりあるだろうから、それを作ってもらう、あるいはそれを作るのを助ける方法を、僕らは作らなくちゃいけないのかもしれないですね。

齊藤:あの、いい訳するようであれだけど、新しい学校になって新しい科目が入ってきたりとか、前2単位でやってた科目を1単位にしたりとか、そういうことに教員も取り組んでいくわけですよね。そうすると、1年目から計画通りに、こっちの思い通りにうまくいくかっていうと、なかなかうまくいかないところがあったりして、たぶん第1期生の君たちにとってみると、まだ消化しきれてない授業を受けたことが多いんだろうなっていうのはちょっと感じます。私たちも頑張って早くその授業を、いいものにしていこうということでみんな努力はしてると思うんですけど。最初の科目とかいうのが結構、そういう意味じゃ多かったのかなっていう気はします。

永田:他に、逆にこういうことは良かったかなとかはありませんか?最初に言ったように学校が良くなって、まあ、君たちがちょっと翻弄されたのかもしれないけど、そういう面はどうでしょうか?あとは5年間でこんなエピソードがありましたよ、みたいなのがあれば。こういう体験が出来ましたよとか。

森山:良かったことはやっぱり校舎が新しくなったことです。最初、1号棟だけすごい綺麗で、他の棟に行ったら結構古くて、少しがっかりしました。それが最近、すごい綺麗になり始めたので良かったなと思いますね。

永田:今どこで実験してる?卒研はどこで?

森山:卒研はまだ古いところでやってます。たまに新しい設備を使って計測するので、楽しくやらせてもらってます。

1期生への期待

永田:そろそろ時間ですので、最後になりましたが、校長先生、副校長先生から新高専第1期生に期待する言葉をお願いできますでしょうか。

校長:新しい学科の卒業生として出て行くことになるわけですけど、そうすると、就職先なんかで熊本高専にはこういう学科があるんだと、そこから来た卒業生で、彼はそこから来たんだっていうことがわかるわけですよね。ですから、頑張ってほしいのと、それによって後輩がどんどんその企業に行くように、ある意味で、最初の人のイメージが大事なんですよね。会社にしても、大学に進学するにしてもですね。ですから、期待は本当に大きいですから是非頑張ってください。

齊藤私も一緒ですけど、入ってくる前から期待して、君たちに良い教育をしなくちゃということで頑張ってきたつもりなんですけど、さっきから話聞いてるとやっぱり苦労をかけたんだなあっていうのをひしひしと感じました。ちょっと大変だったかもしれないですけど、今まで苦労した分もきっと何かの面では生きる部分が出てくると思うんで、そういったつもりでまた頑張ってもらえたらと思います。君たち自身はあんまり1期生とか、新高専の学生という意識では入ってきてなかったっていう話もあったけど、やっぱり社会から見ると君たちは新しい熊本高専の1期生という目で見られることになると思うんで、社会に出たら少しそういう気持ちも持って頑張ってもらいたいと思います。

下塩:ずっと今話を聞いていて、やっぱり5年間経ってそれぞれすごいみんな成長しているなという気がしましたね。いろんな他の人に対しても気遣いしながら話したりとか、そういうのが出来るようになっているなと思いました。我々も新しい学校になって、皆さんちょっと気がついてないところもあるかもしれませんが、熊本キャンパスの場合は、専門科目は、非常勤ではなく全部常勤の先生でやれるようになったということですね。そういった形で、建物も良くなったし、教える方の環境も少し良くなっていると思うので、そういった中で、我々の方の準備不足もあっていろいろ迷惑かけたところもあったかなと思いますけど、私は、高専というのはですね、たぶん、日本の今の教育システムの中で残された一番いいシステムじゃないかなと思うんですね。だから、自信を持って送り出せると思いますので今後も是非頑張ってください。

未来にむけて

永田:それでは、学生の皆さんのそれぞれ今後の抱負と、後輩についてこうこんなことを期待してますというような話があったらお願いします。

磯﨑:僕は、来年の4月から社会に出て社会人になるので、学生気分ではなくてしっかりとした一人の大人として生きていけたらなと思っています。高専で学んだことを、技術を活かして仕事が出来たらなと思っています。後輩へは、結構AC科は先生たちが優しいので自由に楽しく、良い学生生活を送ってください。

森山:私も4月からは社会人としてやっていかないといけません。高専で学んだことというのは、数学とか専門科目もあったんですけど、人間関係とか、そういう面でも結構学べたので、しっかり活かして頑張って行きたいなと思います。後輩に向けては、CI科はAC科と違って先生がすごい厳しいです。そういう面でもすごい鍛えられるので、ありがたいと思いながら過ごしてくれればと思います。

木村僕は、八代の方の専攻科に進むんですが、本科で学んだことをベースにもうちょっと研究を頑張って行こうかなと思ってます。あと英語をすごく押されたのでちょっとやってみようかなと思います。あと後輩には、一言でいうと堕落するなよと言いたいですね。学校生活にはちょっと誘惑が多い部分もあるので、そこだけには負けないように頑張って行ってほしいと思います。

草野:僕は、専攻科に行って、予定では大学院まで行って就職しようかなと考えてるんで、先生方の話し聞くかぎりじゃ大学院からの専攻科生の評価は高いって聞いてるので、まあその評価に見合うような人間になれたらなと、これからなれたらなと考えています。後輩にですが、先生から聞くと、今の4年はすごいとか、今の3年はすごいとか、なんだか今の5年に言う必要はないんじゃないかなと、そういう風に言われるんで、大丈夫、このままで頑張ってもらえればいいと思ってます。

梶原:自分も来年の4月から就職することになるんですけど、高専で学んだことで資格が結構もらえるみたいなんで、いろいろ自分で資格とってキャリアアップして行けたらなとは思っています。後輩に向けて一言っていうんだったら、自分たちの学科は先生たちがすごい厳しいんで、まあ、頑張ってくださいと一言いいたいです。

中神:私は、来年から専攻科に進学するんですが、その後の予定としては就職を希望していて、専攻科の間では、今までの知識を活かしながらまた新しい知識も増やしたいです。学会発表とかも通して、発表を自信をもって出来るようになりたいなと思っています。後輩には、やるべきことをきちんとこなして、楽しく過ごして欲しいと思います。

永田:はい。それではちょうど時間になりましたのでこれで終わりたいと思います。八代高専と熊本電波高専それぞれですね伝統のある高専だったと思うので、これからもその伝統を引き継ぎながら新しい伝統を、皆さんが社会に出て作っていただきたいというふうに思っています。教職員もそういう新しい伝統に見合うような学生を教育して行きたいと思っています。どうも今日はありがとうございました。

全員:ありがとうございました。
 
 

総務より

昨年12月の初めにこの企画を思い付き、なかなか日程が合わない中で冬季休暇前の最終日にようやく実施できました。第1期生としての皆さんの正直な想いや苦労したことなどを聞くことができ、大変良い機会となりました。参加頂いた学生の皆さんのご協力に感謝し、新年度からの活躍に期待しています。(永田/小田)